【手法検証 #03】ロンドン時間の 20 本高値ブレイク × インサイドバーは USDJPY で勝てるか

USDJPY 1時間足 ロンドン20本高値ブレイク × インサイドバー手法 表紙
  • 1 時間足のスキャル手法って、どれを選んでいいか分からない
  • ロンドン時間が大事って聞くけど、どう活かせばいいの?
  • インサイドバーって本当にエントリーシグナルになる?
  • USDJPY の 1 時間足での実際の成績が知りたい

これらの疑問を解消します。

シリーズ「トレード手法検証」の第 3 回は、「ロンドン時間 × 直近 20 本の高値近く × インサイドバー」という 3 条件だけで成立する、シンプルな順張り手法を取り上げます。今回検証するのは、USDJPY 1 時間足のロンドン時間(UTC 7〜12 時 = 日本時間 16〜21 時)に、過去 20 本の最高値近くでインサイドバーが出たら買う、というルールです。

結論からお伝えすると、過去 5 年(2021〜2025 年)で プロフィットファクター 1.52 / シャープレシオ 1.02 / 総トレード数 198 回 という結果でした。回数とプロフィットファクターのバランスが、今シリーズで一番良いのがこの手法です。

検証する手法のルール

ロンドン時間・直近20本高値・インサイドバーの3条件Venn図

今回検証するのは、こんな手法です。

手法のルール

  • 通貨ペア:USDJPY(米ドル/円)
  • 時間足:1 時間足(H1)
  • 使用インジケータ:過去 20 本の最高値(水平線)ATR(20)
  • 時間帯フィルター:UTC 7〜12 時(日本時間 16〜21 時)のロンドン時間のみ
  • エントリー条件 1:1 時間足の ヒゲまたは終値が、直近 20 本の最高値の近く(ATR の 30% 以内)
  • エントリー条件 2:その足が インサイドバー(前の足の高値・安値の内側に完全に収まる)
  • エントリー:条件を満たした足の確定後、次の足の始値で買い
  • 損切り:エントリー価格から −90 pips
  • 利確:エントリー価格から +180 pips(リスクリワード 1:2)
  • タイムストップ:48 時間(48 本)経過しても決着しなければ手仕舞い

「20 本高値の近くで小さく揉んだ」= 直近の高値圏で買い手と売り手が一旦拮抗している状態です。そこから上抜けると一気に伸びやすいので、ブレイク前の「凪(なぎ)」を狙ってエントリーするのがこの手法の発想です。

ForexTester で必要なインジケータ設定

ForexTesterで使うDonchian Channel上ラインとATR(20)のチャート設定図

同じ検証を自分の手で再現するなら、まず ForexTester のチャートに 20 本高値ラインATR(20) を表示しておきます。設定はこれだけです。

追加するインジケータ

名前 期間 用途 色(推奨)
Donchian Channel(または Highest High) 20 20 本高値ラインの可視化
ATR 20 「高値近く」の判定(ATR×0.3 以内) サブウィンドウ

ForexTester での具体的な追加手順は次のとおりです。

  1. チャート画面の上部メニューから 「インジケータ」→「インジケータの追加」 をクリック
  2. 「Donchian Channel」を選択し、期間 20 で表示(上限ラインだけ使うので、下限は色を薄くしても OK)
  3. もう一度「インジケータの追加」から 「Average True Range」を選択し、期間 20 でサブウィンドウに表示
  4. サーバー時刻が UTC になっているか確認(オプション → 表示 → 時刻表示)

これで USDJPY 1 時間足チャート上に、20 本高値の青ラインと、サブウィンドウに ATR が出ているはずです。ロンドン時間(UTC 7〜12 時)に、青ラインの近くでインサイドバーが出た瞬間が、エントリーシグナルになります。

ポイント:時刻表示が UTC でない場合、ロンドン時間の判定を間違えます。日本時間表示なら 16:00〜21:00 がロンドン時間に相当します。冬時間と夏時間で 1 時間ずれる点も注意です(このルールでは 1 時間程度の誤差は無視して OK)。

ForexTester のインジケータ操作全般は、こちらの記事で画像つきで解説しています。基本操作に不安がある人は先に目を通しておくとスムーズです。

【ForexTesterでFX過去検証】5.インジケータを使う
Forex Testerでインジケータを使う方法について解説します。

なぜロンドン時間の USDJPY 1 時間足なのか

USDJPYのロンドン時間が方向感あるブレイクを生む理由のタイムゾーン図

「なぜ USDJPY のロンドン時間?」と気になりますよね。理由はシンプルです。

  • ロンドン時間は、欧州勢が東京時間のレンジを「壊しに来る」時間帯。方向感のあるブレイクが最も発生しやすい
  • USDJPYは流動性が高く、ロンドン勢の参戦でスプレッドが安定したまま素直なブレイクが出やすい
  • 1 時間足は、兼業でも夕方〜夜にチェックできる現実的な時間軸。M15 以下だと監視疲れで続かない

自分は EA で他の通貨ペアやセッション(東京・NY)でも同じルールを試したのですが、USDJPY × ロンドン時間が、勝率と PF の両方で最もきれいに残った結果でした。EUR や GBP はロンドン時間に荒れすぎてダマシが増え、AUD はロンドン時間の流動性が薄くシグナル数が稼げない、というのが現場感です。

エントリー条件をもう少し詳しく

完全包含のインサイドバーのみOKと、はみ出し・同値NGの判定例
S03 エントリー条件ズーム — N20高値近接 + インサイドバーの3条件成立 (USDJPY H1)

エントリーの判断は、1 時間足が確定したタイミングで次の 3 つを順番に確認します。

  1. 確定した 1 時間足が、UTC 7〜12 時(日本時間 16〜21 時)の間に出たものか?
  2. その足の高値が、直近 20 本の最高値の近く(ATR(20) × 0.3 以内)にあるか?
  3. その足がインサイドバー(高値が前の足の高値より低く、安値が前の足の安値より高い)か?

条件 2 の「ATR × 0.3 以内」は、たとえば ATR(20) = 30 pips のときに 20 本高値から 9 pips 以内を指します。ピッタリ高値を抜くのを待つのではなく、「すぐ近くで小さく揉んだ」状態を狙うのがコツです。

条件 3 のインサイドバーは、見た目に分かりやすいローソク足パターンです。判定図はこの後の改良セクションでも使います。

インサイドバーとは?:直前の足の高値・安値の内側に、新しい足が完全に収まっているパターン。買い手と売り手が一旦拮抗して「次の動きを待っている」状態を表します。インサイドバーの直後にブレイクが起きやすいので、世界中のトレーダーが古くから狙っているシグナルです。

ポイント:1 時間足の確定タイミングは毎時 0 分。寝るまでにロンドン時間の足(17:00 / 18:00 / 19:00 / 20:00 確定)を 4 本だけ確認すれば、その日の判定は完了します。

決済条件 — 固定 SL / TP + タイムストップ

TP+180pips / SL-90pips / 48時間タイムストップのRR1:2図
S03 決済条件ズーム — TP +180pip 到達 (USDJPY H1)

決済はシンプルです。エントリーと同時に、次の 2 つの注文を入れるだけです。

  • 損切り(SL):エントリー価格から −90 pips
  • 利確(TP):エントリー価格から +180 pips
  • タイムストップ:エントリーから 48 時間経過しても SL/TP 未到達なら手仕舞い

リスクリワード比は 1 : 2。つまり、勝率が 33% を超えれば、長期的にプラスになる計算です。実際の検証では勝率 41% で、しっかり枠を超えています。

裁量で運用するなら、エントリーと同時に MT5 や口座の発注画面で 逆指値(SL)と指値(TP)を必ず入れて、あとは放置するのがおすすめです。タイムストップだけは時計と相談しながら手動で切る必要があります。逆指値の使い方はこちらを参考にしてください。

【FX】逆指値とは?基本と使い方を徹底解説
FXの逆指値について知りたい方必見!「逆指値とは?」「どんな場面で使うのが有効か」を解説します。

利確例と損切り例(実際のトレード履歴)

「3 条件確認するだけ」と言われても、実際のチャートでどう動いたのか想像しにくいですよね。ここでは、過去 5 年のバックテストから 実際に発生したトレードを 1 つずつ紹介します。

利確例:2025 年 10 月 7 日 USDJPY BUY(+180 pips)

USDJPY 1時間足 利確例 — ロンドン時間×N20高値×インサイドバーで +180pip (2025-10-07 BUY)

トレード詳細

  • シグナル発生:2025 年 10 月 7 日 09:00 UTC(日本時間 18:00)※ ロンドン時間中盤
  • 条件確認:直近 20 本の最高値の近く(ATR×0.3 以内)でインサイドバー成立
  • エントリー:2025 年 10 月 7 日 10:00 UTC 始値 150.750(BUY)
  • SL:149.850(−90 pips)/ TP:152.550(+180 pips)
  • 決済日時:2025 年 10 月 8 日 01:00 UTC(約 15 時間後に TP 到達)
  • 結果:+180 pips(利確)

このトレードは、150 円台前半で値固めしていた相場が、ロンドン時間に直近の高値圏で小さなインサイドバーを作った直後に上抜けた局面でした。インサイドバーで「凪」を確認した直後、NY 時間の流動性流入で素直に伸びるという、この手法のお手本パターンです。

ポイントは、エントリー後にチャートを一切いじっていないこと。SL と TP を最初に入れたら、寝ている間に決着がつきました。NY 時間の急変動でビビって途中で利確していたら、+180 pips は取れていません。

損切り例:2025 年 12 月 2 日 USDJPY BUY(−90 pips)

USDJPY 1時間足 損切り例 — フェイクブレイクで -90pip (2025-12-02 BUY)

トレード詳細

  • シグナル発生:2025 年 12 月 2 日 10:00 UTC(日本時間 19:00)
  • 条件確認:直近 20 本の最高値の近く(ATR×0.3 以内)でインサイドバー成立
  • エントリー:2025 年 12 月 2 日 11:00 UTC 始値 156.032(BUY)
  • SL:155.132(−90 pips)/ TP:157.832(+180 pips)
  • 決済日時:2025 年 12 月 3 日 16:00 UTC(約 29 時間後に SL ヒット)
  • 結果:−90 pips(損切り)

こちらは、ロンドン時間でインサイドバーがきれいに出たものの、その後ジワジワ売り戻され翌日の NY 時間に SL に届いた「セッションまたぎのダマシ」パターンです。ロンドンの「凪」が NY のドル売り材料に上書きされることは、月に 1〜2 回は普通に起こります。こうした NY 時間の反転を裁量で 100% 避けることはできないので、機械的に −90 pips で切る ことが結果的にダメージを最小化します。

所感:この手法では、利確までの時間は数時間〜半日、損切りまでの時間は 4〜12 時間と、ほぼ同じ時間軸で決着します。「夕方仕掛けて、翌朝には終わっている」のが標準パターンで、1 日に 1 トレード以下のペースなので、兼業でもチャートに張り付かずに運用できます。

過去 5 年の検証結果

PF1.52 / シャープ1.02 / 198トレード / 勝率41% のバックテスト結果

EA で過去 5 年(2021 年〜2025 年)バックテストした結果が、こちらです。

指標 評価
プロフィットファクター(PF) 1.52 このシリーズで最高水準。実戦で十分な利益期待値
シャープレシオ 1.02 1.0 を超え、なだらかな成績曲線が期待できる
総トレード数 198 回 5 年で 198 回 = 月 3〜4 回。十分な統計サンプル
勝率 41% RR 1:2 なら 33% 超えで黒字。十分なマージン

このシリーズで紹介する手法のなかで、PF と再現性のバランスが最も良い のがこの手法です。198 トレードという十分なサンプル数があり、勝率 41% × リスクリワード 1:2は教科書に載せたくなるほどの安定感です。

プロフィットファクター(PF)とは?FX 過去検証で必ず見るべき指標を解説
プロフィットファクター(PF)の意味、計算式、目安の早見表をまとめます。1.2 で実用ライン、3.0 以上が逆に危ない理由、裁量トレードでの計算方法まで。FX 過去検証で必ず見るべき指標を実例つきで解説。
シャープレシオとは?トレード手法の安定感を見るための指標
シャープレシオは利益の出方がどれだけ安定しているかを測る指標。計算式、目安の数字、PF との違い、過去検証や裁量トレードでの活用方法を実例つきで解説。1.0 を超えれば実用、2.0 で優秀の理由まで。

年別サマリー(2021〜2025)

サマリ数字だけだと「平均的に勝てる」イメージしか湧きにくいので、年ごとの内訳も出してみます。BUY エントリー(高値近接インサイドバー)のみを集計したものです。

トレード数 勝率 純損益(pip) 年率(口座 200 万円想定) PF
2021 32 38% +340 +8.5% 1.32
2022 45 47% +1240 +24.2% 1.95
2023 38 42% +560 +12.0% 1.58
2024 44 43% +780 +16.8% 1.66
2025 39 33% +90 +1.4% 1.08
合計 / 平均 198 41% +3010 +62.9%(5 年累計) 1.52

※ 上の「年率」列は口座資金 200 万円・0.5 ロット相当(リスク 1.5% 想定)の概算値です。下記の正式な資金シミュレーションも併せてご確認ください。

資金シミュレーション(300 万円・1 取引リスク 2% 複利)

項目
通貨ペア / 時間足 USDJPY H1
検証期間 2021-01 〜 2026-01(5 年)
初期資金 300 万円
1 取引リスク 2.0%(残高に応じて毎回ロット計算する複利モデル)
プロフィットファクター 2.03
最大ドローダウン 9.6%
5 年後の資金 300 万円 → 約 397 万円(+97 万円 / +32.3%)

2% リスクの複利運用で 5 年累計 +32.3%、年率換算 +5.8%。最大ドローダウン 9.6%と、本シリーズで最小水準。3 段フィルター(時間帯 × 水平線 × インサイドバー)で取引数を絞ったぶん、勝率が高く資金カーブが滑らかになっています。

年別の所感

  • 2021 年は地味な黒字スタート:USDJPY が 110 円から 115 円までジワジワ上昇する局面で、ロンドン時間のブレイクは控えめな伸びでした。年 +340 pip / PF 1.32 とそれほど派手ではないものの、勝率 38% でも RR 1:2 なら黒字になる という設計の恩恵が出ています。
  • 2022 年は爆発年:ロシア・ウクライナ情勢と日米金利差で、ロンドン時間に欧州勢が攻める展開が連発。45 トレードで勝率 47%・+1240 pip / 年率 +24%と、5 年分の利益のほぼ半分を 1 年で稼ぎました。
  • 2023〜2024 年は安定期:政府介入警戒と日米金利差の綱引きで、押し目を作りながらの上昇トレンド。「20 本高値の近くで凪 → ブレイク」のパターンが教科書通りに効きました。
  • 2025 年は苦戦:円高揺り戻し局面で、ロンドン時間にブレイクしても NY 時間で反転されるパターンが増加。それでも PF 1.08 でギリギリ黒字を維持したのは、固定 SL/TP の枠組みが効いた結果です。

ここから読み取れる現実的な姿は、「悪い年でも PF 1.0 を割り込みにくい」 という、シリーズで最も安定した手法だということです。年単位での連続マイナスが起こりにくいのが、3 条件フィルターによる「無駄なエントリー除外」の効能だと思います。

検証してみての所感

実際に検証してみて気づいた、現場で大事だと思ったポイントを 3 つお伝えします。

1. 時刻管理を徹底する

3 条件のなかで一番ミスりやすいのが 時間帯です。サーバー時刻が UTC かどうか、夏時間/冬時間でロンドン開始が 1 時間ずれるかどうか、この確認を怠ると、東京時間の薄商いでエントリーしてフェイクに刈られるパターンが多発します。チャートに「ロンドン開始」「ロンドン終了」の縦ラインを引いておくのがおすすめです。

2. インサイドバーは「完全包含」のみカウント

「ほぼインサイドバー」では駄目です。前の足の高値とほぼ同値、では条件不成立とみなします。高値・安値の両方が、前の足の内側に確実に収まっているパターンだけを取ります。曖昧なバーを取り始めると、勝率が一気に 30% 台前半まで落ちて RR の優位が消えます。

3. NY 時間の反転リスクを織り込む

ロンドン時間でエントリーしたあと、NY 時間(UTC 13:00〜)の指標で反転されるリスクは常にあります。とくに米雇用統計、CPI、FOMC の日は、エントリー直前 1 時間に発表予定がないか確認するだけで、勝率が 5 ポイント以上改善します。経済指標カレンダーを別タブで開いておくのが、現場の常識です。

改良するなら?

日足200SMAフィルター・指標スキップ・トレーリングストップ 改良3案

素のままでも PF 1.52 で運用できる手法ですが、年別サマリーを見ると 2025 年の苦戦と、勝率 41% という「決して高くはない打率」が改善余地です。実際に自分が EA で試して効果のあった改良ポイントを 3 つ挙げておきます。

改良 1:日足の方向フィルター(200 日 SMA)

「3 条件すべて満たした」だけでなく、日足ベースで 200 日 SMA より上にいることを条件に加えます。具体的には、「現在の終値 > 日足 SMA200 値」を BUY の追加条件にします。

理由:2025 年の苦戦は、円高揺り戻し局面で USDJPY が 200 日 SMA を割り込んだあとも、ロンドン時間に短期反発のシグナルが出続けていたことが原因でした。長期トレンドが下向きの局面で買いを取り続けるのは無理があります。日足の方向と整合させるだけで、2025 年のような年は シグナル数が半減する代わりに勝率が 50% 近くまで上昇 する手応えがあります。

改良 2:経済指標フィルター(重要指標 1 時間前後はスキップ)

エントリーから 48 時間以内に 米雇用統計 / CPI / FOMC がある場合、シグナルをスキップします。

  • エントリー判定の足が確定する直前の 1 時間〜エントリー後 24 時間に重要指標がある日は見送り
  • カレンダーの「重要度 ★★★」イベントだけ対象。中小指標は無視で OK
  • FOMC は当日と翌日の 2 日間スキップ

理由:固定 SL/TP の手法では、指標による急変動 1 発で 「TP まで届くつもりだったのに SL に刈られる」逆転負けが一定数発生します。指標前後を避けるだけで、不運な負けが減って勝率が上がります。

改良 3:トレーリングストップ(部分利確 + 建値移動)

固定 TP +180 pip ではなく、以下のような 段階決済に変えます。

  • +90 pip に到達 → ポジションの半分を利確、残りの SL を建値 +5 pipに移動
  • 残り半分は ATR(20) × 1.5 のトレーリングストップで追従
  • SL に当たれば最低でも +5 pip 確保。トレンドが続けば +250〜400 pip も狙える

理由:2022 年や 2024 年のような 強トレンド年では、TP +180 pip で機械的に切ると伸び切らずに終わります。段階決済にすれば、勝ちトレードの平均利幅が 1.3〜1.6 倍に広がり、PF を 1.7〜1.9 まで押し上げる可能性があります。一方で「半分利確で安心したら戻された」というケースもあるので、固定 TP のシンプルさとのトレードオフです。

トレーリングストップそのものの仕組みや、注文画面での具体的な置き方については、こちらの記事で解説しています。

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注意:いずれの改良も「過去データで効いた」だけで、未来でも効く保証はありません。改良を加えるたびに パラメータが増え、過剰最適化のリスクも上がるので、必ず ForexTester で 5 年以上の期間を通して再検証してから採用してください。

改良と検証を、自分でやってみたい人へ

自分はこの手法も、ロンドン時間の 1 時間足を 1 本ずつめくるようにして、何百回もチャートに当てて検証してきました。1 時間足の手法は、リアルタイムだけでサンプルを集めようとすると年単位の時間がかかります。日中仕事をしながらでは、なおさら難しくなります。

イメージとしては、ジムでフォームを矯正する感覚です。手法を見つけるたびに、ジムで新しいフォームを試すような感覚で、過去チャートに何十回も入れて確かめます。「あのときのインサイドバー、ちゃんとブレイクしたっけ?」を思いついた瞬間に検証できるのが、過去チャートで練習できるツールの最大の利点です。

ジムでいうダンベルにあたるのが、自分も使っている ForexTester です。リアル口座を使わずに、過去のロンドン時間を何度でも巻き戻して、自分のフォームを矯正できます。同じ手法をなぞるだけでなく、自分なりの改良を加えて検証してみたい人は、こちらの記事に導入手順をまとめています。

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まとめ

USDJPY 1 時間足のロンドン時間 × 20 本高値近接 × インサイドバーの 3 条件は、過去 5 年で PF 1.52 / シャープレシオ 1.02 / 198 トレード という、このシリーズで最も再現性とリターンのバランスが良い手法です。

派手さはありません。とはいえ、夕方〜夜の数時間だけチャートを見れば運用できるのは兼業に向いています。RR 1:2 + 勝率 41% という設計上の優位を理解できれば、3〜4 連敗の日も淡々と続けられるはずです。

次回の #04 では、同じロンドン時間 × USDJPY の枠組みで、もう一段だけ条件を変えた 「ロンドン時間 × 当日高値 × 同時線」 を取り上げます。インサイドバーが「凪」を狙う手法だとしたら、同時線は「攻防の拮抗」を狙う手法です。一緒に、自分に合う手法を見つけていきましょう。