【FX手法検証 #06】EURJPY 4 時間足の MA 大循環ステージ 2/5 を改良案付きで紹介!

EURJPY 4 時間足 MA 大循環の真実と最適解:8 年データ検証が示す勝てるフィルターの条件 表紙
  • 「MA 大循環」って具体的にどう運用するの?
  • ステージ 2 のロングエントリーって、どれくらい勝てる?
  • 大循環のエントリーはどういうルールが必要?

これらの疑問を解消します。

MA 大循環は、3 本の移動平均線(SMA 5/20/40)の並び順を 6 つのステージに分類し、ステージ 2(上昇配列)とステージ 5(下降配列)でだけエントリーする、トレンドフォローの定番フレームワークです。本記事では、まずこのルール単体で EURJPY 4 時間足が勝てるかを過去 8 年の実データで検証します。

検証する手法のルール(MA 大循環単体)

検証ルール:ステージ 2/5 の整列が完成した一発目だけを取るエッジトリガー

エントリー条件

  • EURJPY 4 時間足、SMA 5 / 20 / 40
  • ステージ 2 ロング:SMA5 > SMA20 > SMA40 の整列が完成した瞬間(エッジトリガー)
  • ステージ 5 ショート:SMA5 < SMA20 < SMA40 の整列が完成した瞬間

決済条件

  • SL:60 pip 固定
  • TP:150 pip 固定(RR 2.5)

ForexTester で必要なインジケータ設定

  • EURJPY 4 時間足チャート
  • SMA(5)、SMA(20)、SMA(40) の 3 本
  • 注文:エントリー時に SL 60 pip / TP 150 pip 同時発注

SMA 3 本の色分けは、SMA5 を太線・赤、SMA20 を中太・青、SMA40 を細線・緑にすると整列の判定が一瞬でできます。

【ForexTesterでFX過去検証】4.統計で評価する
当記事では、過去検証ソフト「Forex Tester」の使い方や過去検証方法を解説いたします。今回は、統計画面を使って、トレードを評価する方法についてです。

なぜ EURJPY の 4 時間足なのか

MA 大循環は本当に勝てるのか?8 年間の実データで問い直す

EURJPY は、クロス円のなかでトレンドが綺麗に出やすい通貨ペアです。USDJPY ほど介入の影響を受けず、ユーロサイドの方向感が長期間続くことが多いので、3 本 MA の整列が長くキープされやすい性格を持ちます。

4 時間足は 1 日 6 本で、ステージ 2/5 の整列完成タイミングが 1 ヶ月に 5-10 回出る程度。デイトレ寄りすぎず、スイング寄りすぎずの取引頻度です。

エントリー条件をもう少し詳しく

「ステージ 2 完成」とは、3 本の MA が次の順で並んだ瞬間を指します。

  • SMA5 > SMA20 > SMA40 の関係が、当該足で 初めて成立
  • = 1 つ前の足では成立していなかった(エッジトリガー)
  • 成立した足の終値でロングエントリー

ステージ 2 が継続している間ずっと買い足すのではなく、整列が完成した一発目だけを取ります。次のチャンスは整列が崩れて再度組み直された時です。

決済条件 — 固定 SL / TP(RR 2.5)

SL 60 pip / TP 150 pip の固定(RR 2.5)。RR 2.5 の損益分岐勝率は 28.6% なので、勝率 30% を超えれば理論上はプラス領域です。

利確例と損切り例(実トレード履歴)

典型的な利確例と損切り例を 1 つずつ紹介します。

利確例:2022 年 3 月 10 日 EURJPY BUY(+150 pips)

EURJPY H4 2022-03-10 BUY +150pip 利確例
  • エントリー:2022-03-10 20:00 UTC、price 127.944(ステージ 2 完成)
  • SL:127.344、TP:129.444
  • 2022-03-14 08:00 UTC に TP 到達(13 本後)、+150 pip 確定

2022 年 3 月のユーロ反発フェーズで、3 本 SMA が綺麗に整列した瞬間にロング。ステージ 2 完成 → 3 営業日強で TP 到達という理想形です。

損切り例:2018 年 1 月 10 日 EURJPY SELL(−60 pips)

EURJPY H4 2018-01-10 SELL -60pip 損切り例
  • エントリー:2018-01-10 00:00 UTC、price 134.115(ステージ 5 完成)
  • SL:134.715 に 2 日後(2018-01-12)にヒット

整列の完成は確認できたものの、これは日足上昇トレンドの中の押し目で短期・中期 MA が一時的に下を向いただけ。エントリー直後は値を下げて含み益が出たものの、翌日には押し目買いの反発で SL に到達しました。日足の流れに逆らって、押し目の最後を売ってしまった典型例です。

過去 8 年の検証結果(MA 大循環単体)

指標判定
取引数423十分多い
勝率30.0%RR 2.5 損益分岐 28.6% を辛うじて上回る
プロフィットファクター1.07ギリギリ。実用ライン 1.2 まで 0.13 足りない
シャープレシオ0.50弱め
累計 pip+1,290プラスは確保

取引数 423 と十分多く、累計 pip もプラス。とはいえ PF 1.07 はスプレッドや手数料を引いただけでPF 1.0 を割り、期待値がマイナスに転じる水準です。「単体ではプラススレスレ」が正直な評価です。

年別サマリー

取引数勝率PF累計 pip
20185427.8%0.96-90
20195223.1%0.75-360
20205630.4%1.09+150
20214833.3%1.25+450
20225633.9%1.28+540
20235230.8%1.11+150
20244932.7%1.21+360
20254429.5%1.05+90
2026 (Jan-Apr)1216.7%0.50-360

2018-2019 が連続マイナス、それ以降は大きな勝ちも大きな負けもない、横ばい気味のプラスが続きます。年単位で見ると edge があまり強く出ていません。

資金シミュレーション(300 万円・1 取引リスク 2% 複利)

項目
通貨ペア / 時間足EURJPY H4
検証期間2018-01 〜 2026-04(8 年)
初期資金300 万円
1 取引リスク2.0%(残高に応じて毎回ロット計算する複利モデル)
総トレード数423 回(年平均 53)
勝率30.0%
プロフィットファクター1.07
最大ドローダウン40.4%
8 年後の資金300 万円 → 約 372 万円(+72 万円 / +24.2%)

表面的にはプラスに見えますが、最大ドローダウン 40%を 8 年で食らうのが大きな弱点。取引数 423 と多いため、勝ち負けの上下動が累積で 40% の含み損を生み、心理的な持続性に欠けます。

検証してみての所感

敗因:形式上の整列に騙される、バンドが広がっていない相場でのエントリーが損失を生む

1. 形式上の整列に騙される

素のルールが PF 1.07 にとどまったのは、3 本 MA がほぼ重なった状態でも形式上は整列が成立してしまうためです。バンドが広がっていない=相場が方向を持っていないところで取ると、すぐ崩れて損切り、というパターンが多発します。

2. 取引数の多さの割に edge が薄い

423 取引で累計 +1,290 pip は、1 取引あたり +3 pip。スプレッドを 1〜2 pip 引いただけで、ほぼ手数料負けの水準です。

3. 連敗期は必ず来る

2018-2019 の連続マイナスは EURJPY が方向感を失った時期と一致します。整列の質を判定する仕組みがない単体ルールでは、こういう時期は完全には除外できません。

改良するなら?

解決策:D1 SMA50 ゲートが無駄な負け戦をシステムで排除する

負ける構造的な原因は 「トレンド以外でのエントリーを防ぐ仕組みがないこと」です。これを補う改良案を 3 つ挙げます。

改良 1:日足 SMA50 トレンドフィルター

日足の SMA50 を 5 日前と比較し、右肩上がりのときだけステージ 2 ロング、右肩下がりのときだけステージ 5 ショートを取る。横ばいのときは見送り。日足という上位足で方向を決めることで、4 時間足の整列が「上位足と整合した順張り」になります。

改良 2:バンド幅フィルター

(SMA5 − SMA40) ÷ Close ≥ 0.10% を要件に加える。3 本 MA が十分に広がっている整列だけを取ることで、形式上の整列を除外できます。

改良 3:ATR ゲート

ATR(14) > ATR(50) × 1.2 のときだけエントリー。ボラ収縮期にステージ 2 完成 → すぐ崩壊、という典型的な負けパターンを除外できます。

改良 1 を採用して再検証

改良結果:取引数を半減させ、累計 pip を逆に最大化する

3 つの改良案のうち、最も見た目でわかりやすい 改良 1(日足 SMA50 トレンドフィルター)を採用して、もう一度 8 年分のデータで検証します。エントリー条件を次のように変えます。

改良後のエントリー条件

  • ロング:ステージ 2 完成 かつ 日足 SMA50 が 5 日前より上向き
  • ショート:ステージ 5 完成 かつ 日足 SMA50 が 5 日前より下向き
  • SL / TP は単体ルールと同じ(60 pip / 150 pip)

フィルターで避けられた損切り例:2021 年 2 月 23 日 EURJPY SELL(−60 pips を回避)

EURJPY H4 2021-02-23 SELL -60pip フィルターで避けられた損切り例
  • エントリー候補:2021-02-23 00:00 UTC、price 127.771(ステージ 5 完成)
  • MA 大循環単体ならここでショート → 同日中に SL 128.371 へ直行(−60 pip)
  • 改良後:日足 SMA50 が右肩上がり(EURJPY のリスクオン局面)→ フィルター成立せず、エントリー見送り

2021 年 2 月、EURJPY が反発局面に入ったタイミングで、4 時間足だけステージ 5 が一瞬完成 → 上昇継続で SL 直行。改良後はこのエントリー自体を見送るため、損失そのものを回避できます。

過去 8 年の検証結果(改良後)

指標判定
取引数214単体ルールの約半分
勝率32.7%損益分岐 28.6% を超える
プロフィットファクター1.22実用ライン超え
シャープレシオ1.40単体ルールの 0.50 から大幅改善
累計 pip+1,860単体ルール +1,290 から +570 改善

年別サマリー(改良後)

取引数勝率PF累計 pip
20181822.2%0.71-240
20192222.7%0.74-270
20202729.6%1.05+60
20212045.0%2.05+690
20222638.5%1.56+540
20233330.3%1.09+120
20242737.0%1.47+480
20253237.5%1.50+600
2026 (Jan-Apr)922.2%0.71-120

資金シミュレーション(改良後・300 万円・1 取引リスク 2% 複利)

項目
通貨ペア / 時間足EURJPY H4
検証期間2018-01 〜 2026-04(8 年)
初期資金300 万円
1 取引リスク2.0%(複利)
総トレード数214 回(年平均 27)
勝率32.7%
プロフィットファクター1.22
最大ドローダウン25.0%
8 年後の資金300 万円 → 約 498 万円(+198 万円 / +65.9%)

改良前との比較

指標MA 大循環単体D1 SMA50 フィルター追加変化
取引数423214-209
勝率30.0%32.7%+2.7 pt
プロフィットファクター1.071.22+0.15
シャープレシオ0.501.40+0.90
累計 pip+1,290+1,860+570
最大ドローダウン40.4%25.0%-15.4 pt
8 年後の 300 万円資金(2% 複利)約 372 万円約 498 万円+126 万円

取引数は半分に絞られていますが、累計 pip は逆に増えました。取引数を減らして勝てる場面だけ取るというフィルターの効き方です。資金ベースでは 372 万円から 498 万円へ 差額 126 万円、最大ドローダウンも 40% → 25% へ縮小し、運用継続のしやすさが大きく改善します。

改良と検証を、自分でやってみたい人へ

3 本 MA の整列判定は機械的にも目視でもできますが、「整列の質」を判別する目はトレーニングでしか育ちません。ForexTester でチャートを 1 本ずつ送りながら、「どの整列が勝てそうで、どれが負けそうか」を当てるトレーニングを 200 回ほどやると、フィルターを使わなくても直感的に判別できるようになります。

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ForexTester でエントリーポイントを確認できるインジケータを無料配布!

この記事で検証した改良案ルール「MA 大循環 ステージ 2/5 × 日足 SMA50 トレンドフィルター」のエントリータイミングを、ForexTester 6 のチャート上で再現できるカスタムインジケータを無料配布します。「自分でも検証してみたい」「実際のチャートで整列の質を目で確かめたい」という方は、ぜひ使ってみてください。

下記の GitHub の配布ページから ZIP ファイルをダウンロードし、解凍した MA_Stage_BothSignal.dll を ForexTester 6 のインストール場所(例:C:\ForexTester6\)内の Indicators フォルダにコピーするだけで利用できます。

ダウンロード前にご確認ください

このファイルは、Forex Tester 6 上で「MA 大循環 ステージ 2/5 × 日足 SMA50 トレンドフィルター」のエントリータイミングを確認するための検証用インジケータです。表示されるシグナルは 改良案(PF 1.22)のもので、素のステージ 2/5 単体(PF 1.07)ではありません。

自動売買 EA ではありません。注文発注、口座情報の取得、外部サーバーとの通信は行いません。

個人開発の未署名ファイルのため、Chrome や Windows Defender で警告が表示される場合があります。不安な方は無理にダウンロードせず、記事内のルールをもとに手動で検証してください。

ファイル内容:

  • MA_Stage_BothSignal.dll
  • README.txt

対象:

  • Forex Tester 6
  • Windows 版

初めて使う方は、まずは下記のインストール手順をご確認ください。

当ブログ無料配布のForexTester用インジケータ利用手順
traders-rx.com の検証記事で配布する無料カスタムインジケータを ForexTester 6 にインストールしてチャートで使うまでの手順を、ダウンロード・配置・追加・動作確認・トラブルシューティングまで一通りまとめました。

すでに導入方法が分かる方は、下記の配布ページから ZIP を取得できます。

インストール後、ForexTester 6 で EURJPY の 4 時間足チャートを開き、インジケータを追加すると次のように表示されます。

ForexTester 6 上の EURJPY H4 チャートに、SMA(5) の黄色いライン、SMA(20) の青いライン、SMA(40) のマゼンタのライン、日足 SMA50 を近似する SMA(300) の太いグレーのラインが表示されている。さらにステージ 5 完成タイミングで赤い下向き矢印(SELL シグナル)が 2 ヶ所に立っている。

黄色が SMA(5)、青が SMA(20)、マゼンタが SMA(40) で、これら 3 本の整列でステージ 2 / ステージ 5 を判定します。太いグレーの実線が日足 SMA50 を H4 上で近似した SMA(300) です。緑の上向き矢印は「SMA5 > SMA20 > SMA40 の整列が完成し、かつ Close が SMA(300) より上にある」 BUY シグナル、赤の下向き矢印は逆条件の SELL シグナルです。矢印はシグナル足を示すので、エントリーは翌足の始値、損切りは 60 pip、利確は 150 pip(RR 2.5)で決済する、というのが本記事の改良案ルールです。

なお、このインジケータは内部で SMA(300) を計算するため、起動時点から確定足が 301 本揃うまでは線も矢印もチャートに表示されません。EURJPY の H4 でいうと、おおむね 50 営業日(約 10 週間)分です。新しいチャートを開いた直後は左端近辺にインジが何も描画されないので、十分過去まで遡ってデータをロードしてください。

実装上の都合で、フィルター条件は記事本文の「日足 SMA50 の傾き(5 日前比)」ではなく「Close が SMA(300) より上 / 下にあるか」で判定しています。どちらも「日足 SMA50 のトレンドに沿った順張りだけ取る」フィルターですが、細部の挙動が異なる点はご了承ください。

まとめ

結論:整列を探すのではなく整列の質を見極める、フィルターは勝てる場面だけを抽出する視点

EURJPY 4 時間足の MA 大循環ステージ 2/5 エントリーは、単体で PF 1.07、シャープ 0.50、300 万円→約 372 万円(2% 複利、最大 DD 40%)。プラスは出ているものの最大ドローダウンが大きく実運用は難しい数字です。日足 SMA50 の傾きフィルターを 1 つ加えるだけで、PF 1.22、シャープ 1.40、300 万円→約 498 万円(最大 DD 25%)まで化けました。

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