- リスクリワードって何?
- どうやって求めるの?
- 知ってるとどんないいことがあるの?
これらの疑問を解消します。
リスクリワードとは?
リスクリワードとは、「リスク(risk)=損失」に対する「リワード(reward)=利益」のことです。トレードにおいては、「損失額」に対する「利益額」の割合を指します。
少ないリスクで、どれくらい大きなリワードを得られるトレードなのかを表す指標に使います。
「損失を少なく、利益は大きく得る」ことを損小利大といいますが、これはリスクリワードの優れた取引のことを指しています。
リスクリワードの計算方法は、とても簡単です。
リスクリワード=[利益]÷[損失]
例えば、利益が10,000円で、損切り幅が5,000円だった場合は、リスクリワードは2となります。
リスクリワードは、高ければ高いほど良いですが、高いほど実現可能性は低くなります。
例えば、利益10,000円で、損切り幅1,000円とすれば、リスクリワードは10となりますが、損切りに引っかかる頻度が増えて、負けやすくなります。
つまり勝率とのトレードオフです。
なので、勝率とリスクリワードのバランスが重要となります。
なので、リスクリワードいくつが最適か、というのは簡単に言うことはできません。
一般的には、1.5~2が勝率とのバランスが良いと言われていますが、トレードルール(戦略)によって変わってしまうので注意が必要です。
リスクリワードが重要な理由とは?
リスクリワードという考えがトレードにおいて重要な理由は、ルール(戦略)の指標や評価に使えるのと一定のリスクリワードを守れば負けにくくなるからです。
サイコロでリスクリワードを体感しよう
リスクリワードの重要性を体感する簡単な実験をしてみましょう。
手元にサイコロ(アプリでもOK)と紙と鉛筆(記録できればExcel等でもOK)を用意してください。
そして、次のルールを定めます。
- 偶数が出たら+1000円
- 奇数が出たら-500円
あとは、サイコロを10回振って、上のルールに従って金額を記録してみてください。
自分が実際にサイコロを手元で振った記録をのせます。
どうでしたか?最終的にプラスになってないでしょうか?
もしかしたら出目が偏って損で終わってしまった人もいるかもしれませんが、その場合は試行回数をプラス10回してみてください。やればやるほど利益が増えていくと思います。
理由は、リスクリワードと勝率のバランスが良いからです。
リスクリワードと勝率の関係
リスクリワードと勝率の関係には、損益分岐点が存在します。
それは次の計算式で求められます。
損益分岐点の勝率=1/([リスクリワード比率]+1)
先程のサイコロの例に当てはめると、
- 利益=1000円
- 損失=500円
- リスクリワード=1000÷500=2
となります。なので、損益分岐点の勝率は下記となります。
損益分岐点の勝率=1/(2+1)=33.333…%
つまり、勝率が33%以上であれば負けはなくなる、ということです。
では、サイコロの例の勝率は?というと、「偶数なら勝ち、奇数なら負け」なので、勝率は50%です。
偏りが出ると一時的には負けた状態になる可能性はありますが、サイコロの勝率の方が高いので、やり続けて確率が50%に収束していくと利益が積み上がっていくことになります。
これが、リスクリワードと勝率の関係です。
「FXは、勝率が高くないと稼げない」と思われている人は、目からウロコの内容だったのではないでしょうか?リスクリワードを一定以上保てば、勝率30%台でもトータルで勝つことができるのです。
リスクリワードの目安は?
ここまで見てきたように、リスクリワードの計算自体は簡単です。
問題は、いくつを目安にするかです。
一般的には「1:2」以上が理想と言われていますが、実際のトレードではこの比率を維持するのが難しい場合があります。
なぜなら、リスクリワードを意識したトレードをするには、次の要素を考慮する必要があるからです。
- 損切り幅
- 利益確定幅
- 勝率
損切りについては、エントリーと同時に損切りポイントに逆指値を設定することで確定できます。
逆指値に関しては下記の記事にて解説しているので参考にしてみてください。
心理的な理由で損切りをなかなか設定できない人は下記の記事を参考にしてみてください。
難しいのは、利益確定幅と勝率です。
これは、トレードルール(戦略)によって異なるためです。
- 「高勝率」で「利益幅を抑える」戦略⇐リスクリワードが小さい
- 「勝率は低い」が「利益幅を大きく取る」戦略⇐リスクリワードが大きい
上記は、どちらも正解です。
つまり、リスクリワードに決まった目安はない、が答えです。
重要なのは、決めた「勝率と利益幅」を一貫して狙い続ける、ことです。
しかし、利益幅は待てば良いとしても、勝率はコントロールできないのでは?と思うかもしれません。
はい。勝率はコントロールできません。
ですが、過去検証をすることで、目安となる勝率を算出することは可能です。
具体的には、過去のチャートを使い、一定のルールに沿ってトレードを検証し、その結果を勝率として記録します。
すると、そのルールでの平均利益確定幅もわかるので、それを基にリスクリワードを計算できます。
その結果、損益分岐点の勝率を超えているかどうかも判断が可能になります。
これがルールの評価に使う場合のリスクリワードの設定方法です。
なかなか勝てていない人は、自分の平均利益幅と平均損失幅を元にリスクリワードを求めて、最低必要な勝率を計算してみてください。
最低必要な勝率にどのくらい届いていないのかを知ることで改善の一歩になると思います。
そして、勝率を上げるために必須な、過去検証については、下記に記載しているので参考にしてみてください。
まとめ
- リスクリワードとは、損失と利益の割合です。
- 高いほうが望ましいが、その分ハードルは高くなります。
- 勝率悪くて利益を伸ばすか、利益は少なく勝率を高めるか、はルール次第です。
- 自分のルールのリスクリワードと勝率を把握しておくと、評価しやすいです。