【症状】「いつか戻る」を期待して損切できない

  • 含み損は確定しなければ損にはならない」と、つい塩漬けしてしまう。
  • 含み損を見るのが嫌だから決済せず放置してしまう。
  • 含み損が戻るのを待ったら損失が巨大に…。

これらの症状でお悩みの方に、「迷わず損切りができるようになる」処方箋です。

【原因】

戻ることを期待して損切りできない原因としては次のものが挙げられます。

  • 偶然の成功体験
  • 期待の取引/思い込みの取引に固執している

それぞれ詳しく説明していきます。

偶然の成功体験

1つ目の原因は、「待っていれば元に戻った経験がある」からです。

しかし、「含み損になったけど、待っていたら元に戻った」という経験は、トレードをやっている人なら誰でもあると思います。

なぜなら、エントリーしてから一度も逆行せず価格が上がり続ける(下がり続ける)というのは滅多に無いからです。大抵の場合、ある程度の逆行はします。

そのため、損失が膨らんでも「待っていれば戻るのでは?」という期待は、ごく自然です。

気をつけなければいけないのは、「待つにも限度がある」という点です。

相場には、トレンドレンジがあります。

トレンド相場は下記のように一方向に価格が進み続ける相場です。

トレンド相場
トレンド相場

レンジ相場は下記のように価格が行ったり来たりする相場です。

レンジ相場
レンジ相場

このレンジ相場であれば、時間が解決してくれるときもあります。

過去に一時的に損失が膨らんだけど、「待っていたら助かった」のは、大体この相場です。

ですが、トレンド相場の場合、トレンドが続いている間は戻ってくることがありません。

トレンドはいつ終わるかわからず、終わったとしても水準が、はるか遠い場合、エントリーした水準に戻るまで何年かかるか、誰もわかりません。

極端な例ですが、2022年10月にドル円が147円を超えましたが、前回147円を超えたのは1998年8月です。もし、この日に147円で買いをしていたら、実に24年も含み損を抱えることになります。

ドル円月足チャート
ドル円月足チャート(1998年~2023年)

FXや株の信用取引の場合は、証拠金がありますので、耐えられる含み損には限度がありますし、耐えられたとして、資金が拘束された状態で待ち続けるのは、おすすめしません。

偶然で助かっているのは相場環境に助けられていただけ、ということを知っておきましょう。

  • 「待ち続けたことで戻った」という経験が損切りを難しくしている
  • 偶然助かったのは「相場環境に助けられていただけ

期待の取引/思い込みの取引になっている

2つ目の原因は、「こうなるだろう(なって欲しい)」という思い込み(期待)の固執です。

つまり、エントリー時点では、相場がトレンドなのか、レンジなのか判断できていたけど、いつの間にか相場が変わっていて、「今は一時的な逆行だ(であってほしい)」という期待から損切りできずに待ってしまうということです。

例えば次の相場だったとします。

レンジ相場か?
レンジ相場か?

レンジ相場が続いているように見え、高値付近なので売りを選択しました。

しかし、結果は…

レンジをブレイク
レンジをブレイクしてトレンドに転換

一瞬、下げたものの、レンジをブレイクしてトレンドに移行しました。

このトレンドに転換していく過程において、

レンジの高値でエントリーしたんだからきっと戻るはず

この期待や思い込みが邪魔をして損切に踏み込めない状態が2つ目の原因です。

  • エントリー時点の期待や思い込みによって、相場環境が変わっているのに気づかないと、損切りができなくなる。

【処方箋】

では、これらの原因を踏まえて、「いつか戻る」を期待せずに損切りできるようになるにはどうすればよいでしょうか?

それには、次の2つのことを試してみてください。

損切りポイントを決めて逆差し注文を入れておく

1つ目は、エントリー時にあらかじめ、ここを超えたら(下回ったら)損切り、というポイントを逆指値注文で入れておくことです。

逆指値注文については下記の記事にて詳しく解説しております。

どのポイントを損切りポイントにするか、はそれぞれの手法や資金管理方法によるため、既に決まったポイントがある場合はその価格に必ず逆指値注文を入れるのをルールにしましょう。

重要なのは、手動ではなく自動的に損切りが行われる状態を作り出すことです。

  • エントリーと同時に損切り注文を逆指値で入れておく

エントリーに根拠を持ち、根拠が崩れたら撤退する

特に決まった損切りポイントが無い場合は、エントリーの根拠が崩れたと言えるポイントで損切りしてみてください。

例えば、次のようなチャートでレンジ相場と判断し、高値で反落した事実をもって売りエントリーしたとします。

レンジ相場でのエントリー

この場合の根拠は「恐らくレンジである」という部分ですから、これが崩れるポイントを探します。

この例では単純に、一つ前の高値をレンジ上限とみなすと、それを超えたところが根拠の崩れるポイント(もうレンジではない)です。なので、この付近に損切りを設定します。

レンジ相場のロスカット位置

ちなみに、エントリーの根拠と、それが崩れるポイントは、絶対的に決まっているわけではありません。

それをどういうルールで設定し、どう判断するのかがトレード手法ですので、それが無い場合は、まずは手法を見つけるのを優先しましょう。

トレードルールの作り方に関しては下記の記事にて解説しておりますので、是非参考にしてみてください。

  • エントリーの根拠が崩れる場所を損切りポイントとする。
  • そもそもエントリー根拠がない場合は、まずトレード手法を確立する。

まとめ

  • 過去に偶然うまくいった体験
  • エントリー時の思い込み

「いつか戻る」という期待を抱かせています。

この感情で損切りに影響が出る場合、

エントリーと同時に逆指値を設定し、エントリーの根拠が崩れたら自動的に決済するのが有効

となります。

損切りを怠ると巨大な損失に繋がりますので気をつけましょう。

一度染み付いた感情はなかなか治りませんので、再発しそうになったら、またいつでもお越しください。