実践的なトレードルールの作り方

  • トレードルールはどうやって作るの?
  • ルールを作る具体的な流れは?
  • 勝てるルールなのか判断する方法は?

これらの疑問を解消します。

トレードルールとは?

トレードルールとは、一言でいうと「何を根拠にトレードするか」を定めたものです。

トレード戦略とかトレード手法と言うこともあります。

上がるか下がるかランダムである相場に対して、根拠無しに売買するのはギャンブルと同じです。

一貫することで、そのルールの期待値に近い結果を出すことが目的です。

但し、絶対はありません。必ず勝てるルール(いわゆる聖杯)は存在しない、ということを覚えておいてください。

トレードでは、主に次のルールを決めます。

  • 資金管理のルール
  • エントリーのルール
  • 決済のルール

狭義では、エントリーや決済にフォーカスしたものをトレードルール(手法や戦略)と言うことも多いですが、広義では、資金管理(ポジションサイズ等)も含めます。

それぞれ見ていきましょう。

資金管理のルールを決める

FXの資金管理では、主に次のようなことを決めます。

  • 資金配分
  • レバレッジの決定
  • ポジションサイジング
  • 許容する損失額
  • 収益の再投資

資金配分

自分が投資に使える資金(余裕資金)の額と、どの商品にどれくらい分散させるのかを決めます。

ある程度の資金規模になってきた時に意識する部分です。

少額の場合は、分散させると効率が悪いこともありますので、1つの商品になることが多いです。資金規模にあわせて決めましょう。

レバレッジの決定

レバレッジとは、証拠金を入れることで、より大きな金額の取引ができる仕組みのことです。

日本国内のFX証券会社の場合は、最大25倍です。海外の場合は25倍以上可能です。

例えば、100万円を入れて、25倍のレバレッジで運用すると、2500万円使えることになります。

1ロット(※)1万通貨とすると、ドル円が100円だった場合は、1ロット=100万円です。

※ロット:取引量を表す単位。証券会社に1ロットの通貨単位は変わります。

1ロット1000通貨の証券会社の場合は、この例では、1ロット=10万円となります。

レバレッジ無しでは、1ロットしか取引できませんが、25倍のレバレッジを使えば25ロット取引できます。(実際にはスプレッドなど細かい条件もあるので単純計算の例です)

レバレッジを高めると資金効率は上がりますが、損した場合の元金への影響も大きいのでご注意ください。(1万通貨で1円動くと、1ロットでは1万円ですが、25ロットでは25万円)

ポジションサイジング

レバレッジ倍率を決めて使える資金量が決まれば、次の計算式で打てるロットの数が決まります。

最大ロット数=証拠金÷為替レート×レバレッジ÷1ロットの通貨単位

例)証拠金:100万円、ドル円:100円、レバレッジ25倍、1ロット=1万通貨の場合

最大ロット数=1,000,000÷100×25÷10000=25ロット

しかし、1回のトレードで最大限使ってしまっては、1度の損で資金を失いかねません

そこで、1回のトレードで打つロットの数を調整して、何ポジションか打てるようにすることをポジションサイジングと言います。

例えば、5回に分ける場合は、

25÷5=5ロット/ポジション

となり、1ポジション5ロットで、5ポジションもつ事ができます。

ただし、余裕(バッファ)をもっておかないと証拠金維持率が足りなくなる(いわゆる追証)自体が発生する可能性があるため、実際には使うのは3ポジションまでで、2ポジション分は余らせておく、というような使い方をします。

このように、何ポジションに分ければ良いのか、1ポジション何ロットにすれば良いのかを、資金管理のルールとして、決める必要があります。

許容する損失額

「1ポジション何ロットにすればよいか?」を決める目安として、容する損失額を決めることで、逆算することもできます。

例えば、資金100万円で、1トレードで2%の損(2万円)まで許容する、とした場合、
1ロット(1万通貨と仮定)なら、200pips(ドル円なら2円)の損失まで許容できます。

しかし、1ポジション5ロットで取引した場合、

20,000÷50,000=0.4

となり、40pips(0.4円)の損失までしか許容できません。

もし、損切り価格を100pips(1円)は取りたいのであれば、下記の計算式で1回あたりのポジション数を計算することが出来ます。

1ポジションのロット数=証拠金×2%÷損切り幅(円)

=1,000,000×2%÷1円=20,000通貨=2ロット

収益の再投資

利益が増えてくると、証拠金が増えてきます。

そうすると1ポジションで打てるロットの数を増やすことが出来ます。

次の例を御覧ください。

例)100万円で2ロットで運用し、150万円になった。

損切り幅を1円で、損失2%まで許容する場合、証拠金が100万から150万になるので、

150万×2%÷1=30,000通貨=3ロット

打てるロット数が1つ増え、3ロットが可能になる。

これが収益の再投資です。

全て再投資に注ぎ込んでもいいですし、一部を出金して残りを再投資という考え方でも良いです。

再投資は複利効果を生むため、できれば一定額単位で増やしていくことをオススメします。

  • 資金量に合わせた最大ロット数を把握する。
  • 1トレードのポジションのロット数を決める。
  • ロット数を決めるときには損失許容額から決める方法がある。
  • 収益を再投資すれば複利効果を見込める

エントリーのルールを決める

エントリーの根拠となるルールを決めていきます。

まずはシンプルに

初めての場合は、どんなルールを設定すればよいのかわからないと思いますが、まずはシンプルに一目でわかるようなルールからはじめると良いです。

例えば

  • 移動平均線にタッチしてから反発して次の足で上離れしたら買い
  • 移動平均の帯を完全に上抜けたら買い
  • レンジの上限を突破したら買い

のような感じです。

いきなり複雑なルールや、よく知らないインジケータを鵜呑みにしても、検証が大変で挫折のもとです。

仮説を立てて検証する

チャートを何年分も眺めていると、特定のパターンが発生した時に上昇しやすいとか、下落しやすい等をなんとなく感じるようになります。

その「なんとなく感じる傾向を文章化」して見てください。チャートをスクショでもOKです。

すると、そのパターンが発生した時にエントリーする、というルールが出来上がります。

しかし、まだ思いつきの段階で、どれくらいの期待値があるルールなのかがわかりません。

これを過去のチャートを使って、過去のチャートではこれくらいの成績になった、という検証をする必要があります。

それが過去検証です。

過去検証については、そのテーマだけで長い記事になっておりますので下記を参考にしてみてください。

既存のルールを検証する

エントリールールは、自分が作る必要はありません。

他の人が作ったルールを使ってみる、というのでも問題はありません。

今は情報がいくらでもありますので、ブログやYouTube、FX書籍、証券会社のサイト等を探して自分が理解できそうなものを選んで、検証をしてみてください。

自分の作るルールとの大きな違いは、ルールの作成に試行錯誤する過程をすっ飛ばしている点です。

  • なぜ、この条件でエントリーするんだろう?
  • このインジケータを使う理由は?
  • 紹介されているパターンと同じパターンでトレードできているのか不安

のように、ルールをそのまま使っているつもりでも、成り立ちを知らないので、100%ルールの意図通りに実践できる人は少ないと思います。

YouTube紹介されてるルール通りにトレードしてるのになぜか勝てない

ということが起こるのはそのためです。

ルールを教える側も100%全てのチャート状況に対応した動き方を教えるのは不可能に近いので、基本ルールを覚えたら、あとは過去検証して、自分なりの解釈を加えながら微調整していく方が自分にあったルール作りができるかと思います。

なので、人が作ったルールだとしても、過去検証でちゃんと結果がだせるか?のチェックは必要です。

  • エントリールールはシンプルなものから。
  • 自分で作る場合も、人が作ったルールを使う場合も過去検証は必須。

決済のルールを決める

決済は、損切りか利益確定しかありませんので、それぞれのルールを決定します。

損切りルール

損切りのルールのパターンとしては次のものが考えられます。

  • エントリー根拠が崩れた位置に設定
  • 損失許容額に達する位置に設定
  • 両者の組み合わせ

エントリー根拠が崩れた位置に設定

例えば、次のような上昇トレンドでエントリーした場合、

移動平均線を割って、さらに押し安値を割るポイントになったら、トレンドが終了したとして、損切りを設定する、という例です。

このように、チャート上重要な位置に設定します。

損失許容額に達する位置に設定

資金管理の項目で、許容する損失額の設定について紹介しましたが、1トレードあたりで許容できる損失のラインに自動的に損切りを設定するパターンです。

この場合は、1円(100pips)など固定額での損切り設定となります。

両者の組み合わせ

近い損切り位置としては、チャートでエントリー根拠が崩れる位置に設定し、第2候補として、損失許容額に応じた位置に設定する、という方法です。

この方法だと、1つ目の損切りラインは、エントリーが当たって利益が出はじめれば、トレーリングストップとして機能するようになります。

どの方法でも、損切りには、逆指値を使うのが一般的ですので、下記の記事も参考にしてみてください。

利益確定ルール

利益確定はトレーダーが悩むポイントでもあります。

早く取りすぎても、待ちすぎてもどちらにしても後悔することが多いのが利益決済です。

なので、まずは自分のトレードルールが、勝率重視型なのか、リスクリワード重視型なのかを把握しましょう。

リスクリワードって何?という人は下記の記事を参考にしてみてください。

過去検証を行うと、勝率とリスクリワードを把握することが出来ます。

  • 勝率が高くて、リスクリワードが低い
  • 勝率が低くて、リスクリワードが高い

期待値がプラスであれば、どちらも正解です。

【勝率重視型の場合】
決まった利益が出た時点で決済。
その後、更に伸びたとしても、ルール通りにトレードできたのだから後悔しない。

【リスクリワード重視型の場合】
トレーリングストップをうまく使って、できるだけ伸ばしていき、相場が反転したら決済。

というのがオススメです。

  • 決済のルールは、損切りと利益決済に分けて設定する。
  • 損切りは、エントリー根拠が崩れる場所か損失許容額の位置に設定。
  • 利益決済は、自分のルールが勝率重視かリスクリワード重視かで変えていく。

ルールを検証する

ここまで紹介してきた「資金管理」「エントリー」「決済」のルールが出来たら、必ず過去検証を行ってください。

これをせずにぶっつけ本番で望むと大抵失敗します。

ルールを決めたばかりの時は、「なんて素晴らしいルールが出来たんだ」と自己評価が高い状態です。

過去検証することで、客観的に結果を見られます。

例えば、勝率の高いエントリールールを作ったつもりが、条件が複雑で、全然そのパターンが発生せず、エントリーチャンスが3ヶ月に1回くらいしか発生しなかった、のようなことがあったりします。

過去検証は下記の記事を参考にしてみてください。

デモトレードまたは少額で実践開始

過去検証で良い結果が出たのを確認できたら、ようやく実践です。

実践の前にデモトレードから行っても構いません。実践でないと意欲がわかない人は実践でも問題ないですが、ロットを最小からはじめてみてください。

※デモトレードとは、実際の資金を使わずに、チャートは現実のリアルタイムの相場で自分のルールで取引することです。

過去検証と実践の大きな違いは、本当の損失が発生することによる感情のゆらぎです。

過去検証ではルール通りに出来たのが、実践になると損をするのが嫌で、ルールとは違うことをしはじめてしまいます。

特に、リスクリワード重視のルールの場合、勝率が低いことが多いので、検証では気にならなかったのに実践だと連敗に心が耐えられなくなり、ルールを辞めてしまう、ということが起こりやすいです。

この感情の乱れに耐えられるかが、実トレードならではの評価項目となります。

当ブログの「感情が乱れた時に読む」というテーマは、このような状況を想定して作っておりますので、心が折れそうになったら、当ブログを見て冷静になり、ルールを死守できるよう頑張ってください。

トレードノートで記録をつける

実践がはじまったら、トレードノートをつけることをオススメします。

トレードノートをつけることで、感情のケアやルールの再評価といったことが期待できます。

トレードノートの付け方等については下記記事を参考にしてみてください。

定期的にチェック

トレードノートをつけて、それを定期的にチェックし、ルール通りに出来ているかを確認してください。

また、改善したいルールがあれば、変えても構いませんが、その都度、過去検証をやり直すようにしましょう。

この繰り返しでルールを良くしていきます。

注意点としては、

  • 無闇にルールを増やさない
  • ルールを複雑にしない
  • 評価はトレードごとに行わない(一定期間で評価する)

です。

無闇にルールを増やしたり、ルールを複雑にすると、エントリーを躊躇してしまうようになります。詳しくは下記記事を参考にしてみてください。

また、評価を1回のトレードごとに行うと、ルールがぐちゃぐちゃになりますので、1回ルールを決めたら一定期間はそのルールで運用するようにしましょう。詳しくは下記記事を参考にしてみてください。