- 自分がエントリーするとなぜか相場が反転する
- 利益決済を見送ると反転し、決済すると続伸する
- 長いヒゲでロスカットされた後に反転していった
FXトレード中に『もっと早くエントリーしていれば』『もう少し待てば良かった』と後悔した経験はありませんか?このような“機会損失”に対する向き合い方を学べば、トレードの安定感が向上します。
本記事では、FXトレードにおける機会損失でお悩みの方に「エントリーや決済後の逆行を気にしなくなる」心構えと実践的アドバイスをお伝えします。
機会損失と感じる原因

トレードにおいて、「エントリーすると逆行して損する」「決済した後に相場が伸びて、持ち続ければ良かった」といった機会損失を感じることは少なくありません。その原因は主に以下の2つに分けられます。
- トレードが被害妄想を生みやすい
- 手法と相場が噛み合っていない
それぞれについて詳しく解説します。
トレードが被害妄想を生みやすい
トレードにおいて、自分がコントロールできるのは「エントリー」と「決済」のみです。
しかし、人は制御できない要素に対して不安を感じやすく、それが被害妄想につながることがあります。
被害妄想が起きやすい状況
例えば、次のようなケースを経験すると、誰かが自分を狙っているような感覚に陥ることがあります。
・損切り直後に相場が大きく反転する

・トレンドが続いていると思ったのに、エントリー後すぐに崩れる

・利益確定を見送ったらに反転して利益が減る

・決済したら、相場がさらに伸びる

これが連続すると、以下のような考えにとらわれることがあります。
- 「誰かが自分の取引を見て操作しているのでは?」
- 「なぜ自分ばかりがこんな目に…」
私自身も経験があるので、やり場のない怒りや、もどかしさをどうにかしたいという思いは痛い程よくわかります。
しかし、これらは感情的になった時の一時的な妄想です。当然ながら、誰かが意図的にあなたの取引を狙って損失を与えることはありません。
損失の記憶が強く残る心理的要因
損失に対して過剰に反応してしまうのは、心理学の「プロスペクト理論」に基づくものです。人は利益よりも損失の記憶を強く残しやすい傾向があります。
たとえば、エントリー後に相場が急上昇して利益を得た経験があっても、損をした時の記憶ほど強く残りません。
その結果、同じ数の利益と損失があったとしても、「いつも逆行している」と感じてしまうのです。

- エントリーや決済すると逆行する、というのは被害妄想
- 人は損失の記憶のほうが残りやすい。
手法と相場が噛みあっていない時期
もう一つの原因は、現在の相場状況が自分のトレード手法と合っていない場合です。
手法と相場の相性
トレード手法には、トレンドが発生している時にトレンド方向にエントリーをするトレンドフォロー型とレンジで定期的に逆張りを狙うトレンドリバーサル型があります。

これらの手法は、相場の状況に適合している時に効果を発揮します。
しかし、相場の状況と手法が噛み合っていない場合、逆行や損失が頻発します。
真逆のことをしていたらどうなるでしょう?
それはつまり、トレンド発生中に逆張りを狙う、レンジなのに高値で買いを入れてしまうということです。

こうした状況では、エントリーするたびに逆行が続き、損切りを余儀なくされます。
エントリー後の逆行が続く場合は、「相場と手法が噛み合っているか」を冷静に見直すことが大切です。
自分のトレードルールをまだ確立できていないのであれば、下記の記事を見てトレードルールづくりからはじめてみてください。
- 手法と相場の状態が噛み合っていないと、エントリー後の逆行は起きやすい
- 自分の手法はどのような相場に有効なのか分かっていない人は要注意
機会損失に対する心構え

エントリーや決済後の逆行を気にしなくなるための処方箋として、次のポイントを試してみてください。
- トレードノートをつけて客観的になる
- 「休むも相場」「頭と尻尾はくれてやる」の精神で冷静に構える
- ルール通りの決済ができたかを評価する
それぞれを詳しく解説します。
トレードノートをつけて客観的になる
被害妄想や感情的な反応をなくすには、トレード結果を客観的に見ることが重要です。
例えば、10回中7回負けていても、最終的に利益が出ている場合があります。しかし、損失の記憶が強く残る心理(プロスペクト理論)の影響で、「負けてばかり」という印象を持ってしまいます。

トレードを客観的に見るには、トレードノートをつけるのが有効です。
トレードノートの効果
トレードノートに記録をつけることで、冷静に結果を分析できるようになります。具体的には以下の点を記録しましょう。
- 勝率よりもリスクリワード(損益比率)が優れているか
- 長期的にプラス収支が維持できているか
ノートをつけることで、感情的な判断ではなく、数値を元にした客観的な評価が可能になります。また、感情が冷静になり、トレードの改善ポイントも見えてきます。
詳細なトレードノートの付け方は下記の記事にて紹介していますので、参考にしてください。
- トレードの結果を記録として見られるようにしておくと、客観的な評価ができる。
- 客観的に見られると、感情は冷静になる
「休むも相場」「頭と尻尾はくれてやる」の精神で冷静に構える
相場格言である「休むも相場」と「頭と尻尾はくれてやる」を活用し、冷静にトレードと向き合いましょう。
【休むも相場】
年中トレードを繰り返すのではなく、必要に応じて休むことも相場の一部です。特に、自分の手法が相場と合わないと感じた時は、一度立ち止まるのがおすすめです。
休む間に行えること:
- トレードノートの見直し
- 過去検証の実施
- 次のトレードプランの構築
感情的に取り返そうとすると、失敗を重ねるリスクが高まります。一方で、休むことで損失を回避し、結果的に得をしていると考えると気持ちが楽になります。
エントリーし続けないと機会損失が気になる、という方は次の記事も参考にしてみてください。
【頭と尻尾はくれてやる】
トレンドがどこまで続くのか、レンジがどこでブレイクするのか、というのは誰にもわかりません。相場の天井や底を正確に狙うのは難しいです。
しかし、「天井を付けた」「底を打った」というのは、事後なのでわかります。
なので、天井(頭)と底(尻尾)は見送って(くれてやって)しまいましょう。
以下の行動を参考にしてください。
- 天井や底を確認してから行動する
天井や底を事後的に判断してから動くことで、逆行リスクを減らせます。 - 逆張りを避ける
天井や底を見極める前のエントリーは逆張りになりやすいため、タイミングを遅らせる意識が重要です。
- 相場と手法が合わない時は無理せず休む
- 天井や底を打つ前のエントリーは逆張りになるので、確定してから行動する。
ルール通りの決済ができたかを評価
決済後の逆行に後悔する場合、その多くは「値ごろ感」での決済が原因です。
例えば、「そろそろ高値だから売ろう」と根拠の薄い判断で行動してしまうケースです。
これは、チャートの位置で「高値圏に来たからそろそろ売ろう」というような決済ですが、根拠が薄いため、決済後に逆行すると、後悔のもととなります。

このような決済後の逆行による後悔を減らすには、淡々とルール通りに決済するしかありません。
先の「頭と尻尾はくれてやる」にも通じますが、天井と底値を当てるなんてことはできません。
たまたま結果的に当たったと見えることはありますが、再現性がない取引に意味はありません。
決済後、どうなろうと、「ルール通りに決済できていたなら良い取引」という評価をしましょう。
トレードノートに「ルール通りに決済できたか」を記録する項目を追加し、振り返りを行うと良いですよ。
再現性のある取引を可能にするには、過去検証も必要です。過去検証については下記の記事で解説しているので参考にしてください。
- 決済は、淡々とルール通りに行う。
- 100%効率的な決済は出来ない。たまたま出来たとしても続けられない。
- 効率的な決済でも再現性がないなら、それは単なる偶然で評価はできない。評価すべきは、ルール通りに出来たかどうか。
まとめ
エントリーすると逆に行くと感じるのは、
「自分のトレード結果を客観的に見られておらず、被害妄想に陥っている」か、
「相場と手法があっていない時期か」のどちらかです。
対処法としては、
- トレードノートをつけて客観的になる
- 「休むも相場」「頭と尻尾はくれてやる」の精神で
- ルール通りの決済ができたかを評価
です。
感情的になると損失にばかり目がいってしまいますので、トレードノートをつけて客観的に成績を見る習慣をつけていってください。そして、ルール通りの決済ができたかどうかを評価しましょう。