FXトレードノートの書き方と活用法:成功するための記録術

  • トレードノートって何?
  • 何のために書くの?メリットは?
  • 何を書けば良いのかわからない。

これらの疑問を解消します。

FXトレードノートとは?

トレードノートとは、自分のトレードの記録です。

日記」の側面と、「ルールや成績の評価」の側面があります。

トレード日記の役割

  • エントリーした時に何を感じていたか
  • 決済した時の感情はどうだったか
  • 連敗が続いている時の心理状態は?

上記のように、主に感情面の記録です。

ルールや成績の評価として

  • エントリーポイントや決済ポイントの記録
  • 利益や損失の記録
  • リスクリワードと勝率を算出

上記のように、実績値の記録です。

FXトレードノートの必要性とメリット

トレードノートがなぜ必要か、メリットの観点から紹介します。

ちなみに、デメリットは、言うまでもなく「つけるのが面倒」これに尽きます。それ以外にデメリットはありません。

過去のトレード行動を客観視する

1つ目は、「過去の自分の行動を客観的に見られる」です。

客観的に見ると、当時は感情的だった部分を冷静に捉えることができるようになります。

また、心理状態とトレードパフォーマンスを関連付けて分析することもできます。(「連敗が続いてイライラしている時は利益決済が早くなる傾向にある」など)

ルール通りのトレードかを確認する

2つ目は、「ルール通りにトレードできたかがわかる」ということです。

人間は忘れるように出来ているので、1回1回のトレードを細かく記憶するのは不可能です。

過去10回のトレードのうち、「利益が何回、損失が何回」というのは取引履歴を見ればわかりますが、「何回がルール通りに出来たトレードか」は、記録をつけない限り、知ることが出来ません。

しかし、それを記録していると、ルール通りにやってダメだったのか、ルールを無視しているからダメなのか、「成績が良くない時の原因切り分け」ができるようになります。

見送った取引の記録

3つ目は、「見送った取引を記録できる」です。

見送る取引を記録する意味はあるのか?と思う人がいらっしゃるかもしれませんが、見送りはとても大事で、能動的に見送る、というのはもっと大事です。

なぜなら、人がコントロールできるのは売買タイミングだからです。

相場の動きや利益は、コントロールしたくても出来ないので、利益がでない焦りから、ルールを無視した行動をしてしまうことがあります。(詳しくは下記の関連記事を参照ください)

これを回避する対処法として、自分のルール(戦略)に合わない相場の時は、見送るということを能動的に選択することが有効です。

しかし、見送るというのは「何もしない」ことなので、記録をつけないと、何も残りません

そこで、能動的に見送った、という事実をトレードノートにトレードと同じように記録することで、同じような場面では、迷いなく見送りを選択できるようになります。

トレード再現性の向上

4つ目は「トレードの再現性を出しやすくなる」です。

トレードで重要なのはルール(戦略)を一貫して続けることです。

トレードごとにエントリー根拠がバラバラで、決済ルールもバラバラだと、ルール(戦略)ごとに期待されている勝率やリスクリワードの再現性が出せなくなります。

トレードノートをつけることで、「どんな状態でエントリーしたのか」「決済した状況は?」という意思決定の背景を残すことができるため、今後同じような場面が発生した時に再現性を出しやすくなります。

マーケットイベントの影響とパターン分析

5つ目は「マーケットイベントの影響やパターンがわかる」です。

例えば、重要指標発表当日にトレードをしていた場合、大きく動く予想はできますが、具体的にどんな動きとなったのか、記録を取っておくと、重要指標当日の傾向が見えてくることもあります。

毎回同じパターンになるとは限らないので、予想に使うのではなく、最良ケース/最悪ケースといった状況別にどのくらい値動きがありそうか、という想定ができるようになります。

何を書けば良いか、優先度別に紹介

トレードノートには、書こうとすればいくらでも書けますが、項目を増やすほど、面倒が増え、続かない原因となります。

そこで、優先度別に項目を整理してみましたので、自分にあっている項目をピックアップして、自分だけのトレードノートを作り出してみてください。

フォーマットに決まりは一切ないので、面倒だな、と感じたら項目を減らしてみる、続けることを最優先に、柔軟に対応してみてください。

【優先度:必須】必ず記録したい項目。手間も少なめ

まずは、最低限必要な項目です。

  • トレード日時(エントリー/決済)
    • トレードした日時。時間まで記録しておくと利益が出やすい時間帯の傾向もわかる。
    • エントリーから決済までの平均的な間隔を知ることができる。
  • エントリー価格/ロット数
    • エントリーした価格とロット数。売り/買いどちらかも。
  • 決済価格
    • 決済した価格。注文方法も(指値/逆指値/成り行き等)
  • 損益
    • 損益幅と損益額。手数料やスプレッドもあればいいが、手間なら省略で。
  • 簡易評価
    • ルール通りのトレードだったかを○✕と、一言理由も。

以上が、最低限必要な項目です。

面倒な人は、トレードごとに証券会社の取引履歴をダウンロードしてくれば、簡易評価をつけるだけなので、まずは簡易バージョンで、習慣化を目指してみてください。

【優先度:高】あったほうが良い項目。でも、面倒度も高め。

必須項目だけだとトレードノートをつける効果は半減なので、習慣化が出来たら下記の項目もつけるようにしてみてください。

  • エントリー時(予定)のチャート
    • エントリー時点(または予定)のチャートのスクリーンショットを保存。
    • エントリー地点のマーキング
    • 損切り地点のマーキング
    • 目標利確地点のマーキング
  • エントリーの根拠
    • チャートとセットで、エントリーした理由(環境認識やチャートパターンなど)を記載
    • チャートを見た結果、見送った場合も記録できると良い
  • 決済時のチャート
    • 決済時点のスクリーンショットを保存。
  • 決済の根拠
    • チャートとセットで、こういう理由で決済した、という根拠を記載
    • 逆指値などで、自動で損切りになった場合も書く。
  • 感情の記録
    • 焦り、怒り、イライラ等、吐き出せる感情を持っている時は、その感情のまま書き出す。
    • 無い時は無理に記載する必要はない。
  • 褒める
    • 何かしら今回のトレードで褒める点を見つけて記録する。
    • 自分を責めず、出来たことを認めていく。

以上が、優先度高めの項目です。

ちょっと面倒が増えましたね。なので、一気に全てを記録する必要はありません。
続けられそうな項目から徐々に習慣化を意識してみてください。

【優先度:中】記録すると便利な項目

ここからは、人によってあったほうが効果的な項目です。

これは、というものがあれば採用して記録してみてください。

  • エントリー/決済時の別時間軸のチャート
    • 4時間足で取引している場合、1H足と日足も同時に撮っておく。
    • 目的は、時間足の視野を広げること。
  • リスクリワードの計算
    • 平均損失と平均利益の割合を計算。
    • エントリー時点(予定)と決済時点(実績)があると、なぜ変わったかを評価できる。
    • リスクリワードに関しては、下記の記事も参考に。
  • エントリーの根拠となる指標
    • それぞれのルールに応じた指標を記載。
    • 例えば、RSIを根拠にエントリーしているのであれば、エントリー時点の数値と決済時点のRSIを記載する。

以上が、人によってあったほうが効果的な項目です。

何度も言いますが、まずは習慣化が大事ですので、負担にならない項目から記録していきましょう。

【優先度:低】上級者向けの詳細項目。自分でルールを作り上げたい人向き。

ここからは、どちらかというと上級者用となります。

トレードノートは、つける項目が多すぎると混乱する原因にもなります。

それを理解している人のみ、参考にしてみてください。

  • 主要なテクニカル指標の記録
    • 自分が使っている以外でも、ウォッチしたい主要なテクニカル指標
    • 勝てない時に、別のテクニカル指標を組み合わせたくなる人は、影響されるので記録禁止
  • 最大ドローダウン率
    • 最大資産からの落ち込み率
    • 例えば、年間最大ドローダウンを記録しておけば、自分のルールでのドローダウンの目安がわかる。
  • 最大含み益
    • エントリーして最大含み益になった幅
    • 自分のルールで最大伸ばせる利益幅を知っておくと、薄利決済を減らせる。
  • 重要な経済指標の予想と結果
    • 重要な経済指標をまたいでいた場合のみ。
    • その指標の予想値と結果値、前後でどう動いたかのチャート

以上が、上級者向けの項目です。

といっても、上級者でもここまで記録している人は少ないと思います。記録量が増えたからと言って成績が上がるわけではありませんので。

どちらかというと、自分のトレードをシステマチックにして、システムトレードに近づけたいという人向きです。