- FXって、どう練習すればいいの?
- 今のトレード手法が正しいのか不安
- ルールや手法を評価する方法はない?
- 過去検証の具体的な方法は?
これらの疑問を解消します。
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過去検証とは?なぜ必要?
過去検証とは、「過去チャートを使って仮想のトレードを行うこと」を指します。
本番のトレードと同じように取引を行うことで、自分のルールが有効かどうかを確認できます。特に初心者にとって、FXの過去検証を通じて実際の取引の練習をすることは、成功への第一歩です。
まずは、なぜFXの過去検証や練習が必要なのか?を説明します。
過去検証には、以下の目的があります。
- トレードに一貫性をもたせる
- 勝てるルールかどうかを検証する
- 得意な相場と不得意な相場を知る
これらの点について詳しく説明していきます。
トレードに一貫性をもたせる
まずは「トレードに一貫性をもたせる」ことについて説明します。
勝てるトレードとは、期待値がプラスの行動(ルール)を繰り返すことです。
期待値がプラスの簡単な例として、次のようなものがあります。
サイコロを振って、偶数がでたら+1000円、奇数が出たら-500円
この行動を繰り返してみてください。
すると、下図のように、最終的には合計で勝つことができていると思います。(もし勝てない場合は、試行を繰り返すことで結果が改善されるはずです。そして、繰り返すほど増えていきます。)
なぜこの方法で勝てるのかは、リスクリワードと勝率の関係によります。
詳しく解説するとテーマがブレるので、詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。
このように、期待値がプラスとなるルールを見つければ、それを繰り返すだけで資金が増えるはずです。しかし、それが出来ない人が大半なので、トレードは難しいのです。
その理由は、多くの人が期待値の考え方を知らず、連敗が続いたり、エントリーチャンスが来なかったりすると焦って「ルールが悪い!」と別のルールを探し始めるからです。初心者に多い傾向ですね。
先程のサイコロの例で言えば、途中で
「報酬を+1000円→+1500円に増やすかわりに、偶数ではなく6が出たときだけもらう」
に途中で変えてしまう、というようなことです。(この条件だと、トータルで負けやすくなります)
ルールの期待値が分かれば、そのルールを一貫して継続するモチベーションにつながりますよね。
しかし、ルールを理解していても、それを実践するには何度も反復して練習する必要があります。
そのため、過去検証を行うことで、一貫性を持ったトレードの練習ができるのです。
- トレードは期待値がプラスのルールを反復すると勝ちやすい。
- 期待値プラスのルールを一貫して実践するために過去検証で練習する。
勝てるルールなのかを検証
過去検証の2つ目の目的は「勝てるルールなのかを検証」するためです。初心者から上級者まで、このステップはFX練習の一環として非常に重要です。
1つ目で、トレードは期待値プラスのルールを繰り返すことだと言いましたが、どうやってそのルールが期待値プラスかどうか判断すればいいのでしょうか?
期待値を計るには、以下のデータが必要です。
- 勝率(及び負け率=1-勝率)
- 平均利益
- 平均損失
このデータを集めるためにリアルトレードを行うのはリスクが高く、本末転倒なので、過去検証が必要なのです。
過去数年分のデータを使って、一定のルールで仮想トレードを行い、
期待値=(勝率×平均利益)-(負け率×平均損失)
この計算結果がプラスであれば、そのルールは期待値プラスです。(他にも評価する項目はありますが、それは後述します)
逆に、過去検証をせずにリアルトレードを行うと、実は期待値がマイナスの戦略で戦っているかもしれません。そう考えると恐ろしくないですか?
もちろん、期待値どおりに行くとは限りません。その理由については次に説明します。
- 期待値などの評価をすることで、勝てる要素のあるトレードかどうかを知る。
- 最低限、自分が使っているルールの期待値がプラスかどうかは知っておきたい。
得意な相場、不得意な相場を知る
3つ目の理由は、過去検証をすると「得意な相場と不得意な相場を知ることができる」ためです。
期待値の例としてサイコロを挙げましたが、実際のトレードはそんなに単純ではありません。
期待値がプラスだとしても、3ヶ月連敗してから1ヶ月大勝ちしてトータルでプラスになる、ということもあります。
相場には無数のパターンがあり、すべての相場で同じ成績を出し続けられるルールは存在しません。
但し、「こういうパターンで勝ちやすい、負けやすい」という傾向は掴むことが出来ます。
それを知ることができるのが過去検証です。
自分の得意な相場では積極的にトレードし、調子が悪いパターンではトレードを見送るという選択肢を持つことができれば、その分勝率アップが期待できます。初心者にとっては、これを通じて自分に合ったFX手法を見つけることもできます。
- 過去検証を通じて、得意な相場と不得意な相場を知ることができる。
- 得意な相場で積極的にトレードし、不得意な相場では見送ることで、勝率アップが期待できる。
過去検証の流れ【3STEP】
では、過去検証の重要性がわかったところで、具体的な流れを簡単に3STEPで解説します。
- 準備:必要なもの
- エントリーの記録
- 決済の記録
- 成績の評価
準備:必要なもの
過去検証は、最低限以下のものがあれば可能です。
- 過去チャート
- 記録できるもの(紙でもExcelでも)
- トレードルール(戦略や手法)
これだけです。
チャートは、どの証券会社でも見ることができますし、さほど大差ありません。
まだ証券会社の口座を開設していない方には、以下の証券会社がオススメです。
口座開設して新規取引するだけでキャッシュバックがあるので、どうせならお金もらえる証券会社が良いと思います。
トレードルールの作り方については、以下の記事を参考にしてください。
はじめはトレードルールなしで、過去検証の雰囲気を掴むだけでも十分です。慣れたらトレードルールを決めて検証してみましょう!
エントリーの記録
まずは、過去チャートを好きな年の好きな月までさかのぼりましょう。
「ここから」と決めたら、チャートの右側を見ないようにしながら1日ずつ移動していきます。
これが意外に難しいこともあり、チャートツールに依存します。
絶対に先を見ないようにしたい方は、後ほど紹介するツールを参考にしてください。
移動しながら、自分のトレードルールに従ったエントリーパターンが現れた所で、エントリー(「買う/売る」と決める)します。
エントリーしたら、以下を記録してください。
記録する項目は自由ですが、記録量が多いほど精度が上がります。
多ければ、手間と時間がかかります。精度と時間のトレードオフです。
- 【必須】エントリー価格
- 【必須】損切り位置
- 【必須】エントリー日時
- 【推奨】エントリー時点のチャート(画像キャプチャ/印刷どちらでもOK)
※Windowsなら「Windowsキー+SHIFT+S」で範囲指定のスクリーンショットが便利 - 【推奨】エントリーの根拠(移動平均線にタッチして反発した、等)
- 【上級向け】エントリー根拠に使用した数値やインジケータのチャート等
習慣化するまでは、価格と日付程度にして、継続することを優先し、慣れてきたらチャートも記録すると良いです。
なぜなら、後から見た時に、
「このエントリーは本当にルール通りだったか?」
「見落としてるポイントはないか?」
というのが、チャートを残していれば一目瞭然だからです。
- 過去チャートを使って1日ずつ移動し、エントリーパターンが現れたらエントリーする。
- エントリー価格、損切り位置、エントリー日時などを記録し、精度を上げるためにチャートも残す。
- 継続することを優先し、慣れてきたら詳細な記録を残すことで後から見直しやすくする。
決済の記録
エントリー後、損切り価格または、利益決済の条件に合致するところまでチャートをすすめます。
合致したら、決済の記録を取ります。
エントリー同様、記録する項目が多いほど検証精度は上がりますが、手間と時間がかかりますので、まずは続けられそうな項目から記録しましょう。
- 【必須】決済価格
- 【必須】損益
- 【必須】決済日時
- 【推奨】決済時点のチャート
- 【推奨】決済要因(損切りなら損切り、利益決済なら決済を決意した理由)
- 【上級者向け】決済の根拠に使用した数値やインジケータのチャートなど
ちなみに、この記録項目は、リアルトレードと同じものを記録すれば、リアルトレードと検証の差を比べやすくなってオススメです。初心者には、記録の習慣をつけることで、より効果的なFX練習にもなります。
また、勘の良い方は気づかれたかも知れませんが、トレードノートに記録しているのと同じ項目となるはずです。トレードノートって何?という方は、下記の記事を参考にしてみてください。
成績の評価
一定期間続けたら、成績の評価を行います。
最初は3ヶ月から半年を目標にし、その後は1年単位で実施できると良いです。
評価項目としては以下があります。
- 勝率=[利益がプラスのトレード数]÷[全トレード数]
- 平均利益額=利益の平均金額
- 平均損失額=損失の平均金額
- 期待値=(勝率×平均利益)-(負け率×平均損失)
- リスクリワード比率=平均利益額÷平均損失額
- 損益分岐点の勝率=1/([リスクリワード比率]+1)
見るポイントは、
- 期待値がプラスになっているか?
- リスクリワード比率と勝率のバランス(勝率重視のルールか、リスクリワード重視のルールか、がわかる)
- 損益分岐点の勝率に対して実際の勝率にどれくらい余裕があるか?
です。
面倒?それならツールを使おう!
以上が、過去検証の流れです。
ただ、こう思った人もいるかも知れません。
「面倒くさそう・・」
はい!面倒です!
それが過去検証せずにいきなりリアルトレードを始めて失敗する人が多い理由です。
期待値プラスのルールを繰り返せば勝てると分かっていても、面倒だからできない人が多いのです。だからこそ、それができる人には優位性があります。
ならば、面倒な作業は文明の利器を使って軽減しましょう。特に色々覚えることが多い初心者にとって、効率的なFX練習ができるツールは非常に効率的です。
例えば、
- チャートの右側が最初から隠れている。
(ディスプレイに紙を貼って隠すようなアナログなことをする必要なし!) - 実際のトレードと同様の仮想売買ができ、損益計算も自動で行ってくれる。
- 手動では難しいトレードの評価も自動計算してくれる。
ツールを使うことで効率を上げ、面倒だから続かないという要因を減らせます。
むしろ、ツールを使わずに過去検証をやっている人は少数かと思います。
過去検証に役立つソフト紹介(無料)
TradingViewのリプレイ機能
TradingViewという無料で使える高機能なチャートツールがあります。
その中に、「リプレイ機能」というものがあり、過去から1本ずつチャートを再生できます。
【使い方】
- TradingViewにアクセスし、右上の人形マークをクリックしてログインします。(ここで同列にある言語を選択すれば日本語に変えられます)
- ログインには、Googleアカウント等が使えるので、好きなアカウントでログインしてください。
- ログインしたら、上部にある下記の「高機能チャート」を選択します。
- 大きなチャート画面に遷移し、右側の「ウォッチリスト」から「USDJPY」をクリックします。
- ドル円のチャートが表示され、上部にある「リプレイ」を選択します。
- すると下記のような青い縦線があらわれます。これがリプレイを開始する地点を選べる状態です。
- 選択すると選んだ地点より右側が隠れ、下部にコントロールボタンが現れます。
- 売り/買いを選択すると、現時点のバーで売買が記録されます。(本物の売買ではありません)
- コントロールボタンで1本ずつバーを進めることが出来ます。
- ポジション決済ボタンを押すと、決済となります。
と、このように簡単に過去検証が可能です。
ただ、無料版の場合は、下記の制限があります。
- 日中足(N時間足)は見られない。
- 広告が入ってくる
1時間や4時間足で検証したい場合は、Pro以上にアップデート(有料)する必要があります。
有料コースは何段階かありますが、リプレイ目的なら、一番下のProで十分かと思います。チャートツールとしても非常に優秀なので、それだけでもProにする価値はあります。
ただ、過去検証目的の場合、専門の機能のある有料ツールには及ばないです。
まずは、無料で過去検証がどんなものか雰囲気を味わうには最適なツールだと思います。
過去検証に役立つツール紹介(有料)
過去検証専門の有料ツールを紹介します。
劇的に効率が変わるので、まずは試用版からでも是非試してみてください。
自分はどちらも使っています。
裁量トレードの”復習”ソフト RT
まずは、MetaTrader4または5を使っている方限定のツールです。
MetaTraderの使える証券会社を利用されている方にオススメです。
【公開記念版:MT4】裁量トレードの”復習”ソフト RT for MT4(RCC対応インジ付き) 【公開記念版:MT5】裁量トレードの”復習”ソフト RT for MT5(RCC対応インジ付き)詳細は長くなるので、別記事にしました。
下記の記事を参考にしてみてください。
Forex Tester(フォレックステスター)
最も有名な過去検証ソフト「Forex Tester(フォレックステスター)」です。過去検証にベストなツールだと思います。
主な特徴は以下の通りです。
- 未来チャートを隠して時間を自由に前後できる
- 仮想売買ができ、成績は自動集計
- 売買箇所の記録が残り、後から簡単に参照できる
- 豊富なインジケータが揃っているので様々な手法に対応
- 自作インジケータも読み込める
- 複数時間足を並行して見たり、1つの画面で時間足を自由に変えられる
など、紹介しきれないほどあります。
価格体系が複雑ですが、下記の記事でわかりやすく解説しておりますので、参考にしてください。
当ブログでは、Forex Testerを使ったFXの過去検証も解説しています。
具体的な過去検証のイメージを掴みたい方は是非参考にしてください。
まとめ
- トレードで勝つには期待値がプラスのルールを継続する必要がある
- 今のルールが期待値プラスかどうかは過去検証で評価できる
- 同じルールを一貫して続けるFXの練習として過去検証が必須
- 特にルールがブレやすい初心者が取引の一貫性を持つために重要
- 過去データで勝てなければ、今勝てるわけがない
- 過去検証を繰り返すことで得意な相場と苦手な相場を知ることができる
- 苦手な相場を避ければ勝率アップ
- 過去検証は面倒なので、ツールを使って効率的に行うことが重要
【損切り価格/利益決済条件について】
トレードルールがなければ設定できません。ルールが無い人は
損切り:-1%、利益:+3%
あたりに設定して、まずは慣れてみてください。