- 今週利益を出せなかった。どうしよう…。
- 目標達成まで○万円なのに、あと少しが届かない!
- 焦ってトレード回数増やしたら利益が減ってしまった…。
これらの症状でお悩みの方に「利益目標に届かなくても焦らないようになる」処方箋です。
利益目標に届かない時の焦りの原因
利益が目標に届かずに焦る原因としては次のものが挙げられます。
- コントロールできないことを目標にしてしまう
- 相場の状態が見えていない
それぞれ説明していきます。
コントロールできないことを目標にしてしまう
1つ目の原因は「コントロールできないことを目標にして、どうにかしたくなるから」です。
人はコントロールできないものを目の前にすると不安になり、どうにかしたくなります。
例えば、
「1週間後に旅行の計画があり、天気が不安」
→天気はどうにもできないけど、晴れてほしい
→てるてる坊主を飾ろう
「10年後に家族全員が健康でいられるか不安」
→未来はどうにもできないけど、全員健康でいてほしい
→食生活改善や健康診断でチェック
のように、不安を感じるとそれに対しての対策を講じようとします。(効果の有無は別として)
トレードも同じです。
「トレードで資金が減らないか不安」
→相場の動きはどうにもできないけど、早く利益がほしい
→なんとか利益を出そうと色々試す(これが焦り)
この色々試す、という部分がくせもので、次のように悪い方向へ働くと問題になります。
- 早く利益が欲しくて、ルールを無視して決済しまう
- 連敗が続くと別のルール(戦略)を探してしまう
- ルールと違ったエントリーをしてしまう
どれも、「利益が欲しい」という気持ちから、焦った行動に出た結果です。
ちなみに、早く利益が欲しくて薄利決済をしてしまう場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
どうにもならないものを欲しがると、焦りが生じる原因となる。
また、その焦りが問題行動を起こしてしまう原因となる。
相場の状態が見えていない
2つ目の原因は「相場の状態が見えていない」からです。
例えば、月に利益を5%出したい、という目標を掲げたとします。
でも、1ヶ月間、一度もエントリーチャンスが無い状態だったらどうしますか?
「利益を出す為に、エントリーしないといけない」
トレードできない状態が焦りになって、ルールを無視したエントリーをしたくなりませんか?
1つ目にも繋がりますが、動けない焦りを感じることで、機会を自分で作り出そうとしてしまいます。
そういう時は、相場を俯瞰すると、凪状態(レンジ相場)だったりします。
なので「エントリーチャンスがないなら、エントリーしない」が正解となります。
- 相場の状態が見えていないと、トレード出来ていない現状に焦りが生まれる。
- なんとかトレードしようとするが、機会を自分で作り出すトレードは「相場の状態を無視」した動きになる。
感情コントロールの処方箋
では、「利益目標に届かなくても焦らないようになる」にはどうすればよいでしょうか?
それには次の3つを試してみてください。
- 「ルール通りに出来たか」を評価する
- 利益額を目標にしない
- 「相場はコントロールできない」と唱える
それぞれ説明していきます。
「ルール通りに出来たか」を評価する
1つ目は、トレードごとの評価を「利益が出たかどうか」ではなく「ルール通りのトレードだったか」で評価するようにしてみてください。
ルールさえ守っていれば、結果は後からついてくる、という考え方です。
プロは、結果よりもプロセスを重視します。なぜなら、結果はコントロールできないからです。
そして、プロセスに集中すれば、結果はおのずとついてくる、という確信があるからです。
大リーグ大谷選手の試合後のインタビューでも「結果はコントロールできないので、自分がやれることを繰り返すだけ」というような趣旨の発言をよく聞きますが、まさにこの考え方です。
1トレードごとに利益が出たかどうかで評価するのは、野球で言うならヒットが出なかった打席はダメと言っているようなものです。
打てなくても、フォームさえ崩れていないなら、普段通りの打率に収束してくる、というのと同じで、1回のトレードで利益が出なくても、ルール通り繰り返していれば、ルールの利益率に収束してくる、という考え方を持ってみてください。
具体的な方法としては、1トレードごとに「ルール通りのトレードが出来たかどうか」をトレードノートに記録していきましょう。
トレードノートの書き方については、下記の記事を参考にしてみてください。
長々と書くと続かないので、慣れるまでは、ルール通り出来たか○✕をつける程度で構いません。
そして、○がついたトレードの場合、勝ち負けに関わらず、自分を褒めるとなお良いです。逆に、✕のついた時でも、自分を責めないようにしてください。
淡々とトレードごとに○✕をつけて、○が増えることを喜ぶようにすると利益にとらわれなくなります。
そもそも、トレードルールが無い、という人は、下記の記事にてトレードルールの作り方を解説しておりますので、参考にしてみてください。
- 結果(利益)ではなくプロセス(トレードのルール)を重視する。
- トレードノートをつけ、ルール通りなら○印。○が増えていくことを喜ぼう。
利益額を目標にしない
前項に関連しますが、利益額を目標にせず、プロセスを達成することを目標にしてみてください。
利益額を目標にすることによる弊害として、次のことが考えられます。
- あと少しで目標額!という時に「少しなら…」とルールを無視
- 目標から遠ざかるので、損切りしたくなくなる
- 目標達成後は、減らしたくないからトレードしなくなる
- 目標のために利益が出てたらすぐ決済してしまう
なので、利益額よりも、ルールを守るようになる目標に変えてみてください。
例えば
- ルール通りの取引を月に5回(相場があわない時は見送った数をカウント)
- ルールに合致しない相場の時は、しっかり見送る。
- トレードノートに記録を忘れない
のような感じです。
但し、利益額に関しては、長期的な評価基準としてならアリです。
具体的には、「年率30%を目標とする」のように長期的にモチベーションを上げるものです。
短い目標だと利益額を気にし続けないといけないのが問題ですが、かといって青写真を掲げられたほうが意欲が湧くこともあるので、それは否定しません。
この場合、注意しないといけないのは、期限が近くなって、その目標額が気になり始めると、同じことになりますので(年末になると一気に調子が崩れたり)、利益額を気にし始めたらその目標は忘れるようにしてください。
- 目標は、利益額ではなく、ルールを守れるようになるものを。
- モチベーションを上げるためなら、長期的な目標として利益目標はアリ。但し、利益額が気になり始めたら忘れること。
「相場はコントロールできない」と唱える
3つ目は、とても単純で簡単にできる対処法です。
利益が出てなくて焦ってきたら
「相場はコントロールできない。コントロールできるのは売買タイミングだけ」
と唱えてみてください。
いい流れが来なくて、全然トレードが出来ていない、という状態は、どんなプロトレーダーでもあります。
でも、上級者になるほど「相場は個人ではどうにもならない」ということを理解しています。
そして、トレーダーがコントロールできるのは売買タイミングだけ、ということも知っています。
イメージ的には次のような感じです。
- 負けトレーダー:流れのない川を泳いで、無駄なエネルギーを消費
- 勝ちトレーダー:流れが来た時だけ、その流れにそって泳ぎ、効率よくエネルギー消費
流れが無くてトレードできていない時は、「売買できていない」ではなく、
「売買しない」ことを「自分が決めている」という感覚が重要です。
また、実益として、無駄な損失を抑えていることにもなっています。
なので、相場が自分にあっていないと感じた時は、焦るのではなく
「相場はコントロールできない。コントロールできるのは売買タイミングだけ」
と唱えて冷静になり、「見送る」ということを決めて見てください。
- 「相場はコントロールできない。コントロールできるのは売買タイミングだけ」と唱えて意識づけしてみる。
- 意識づけたら、意識的に見送りをしてみる。
まとめ
利益目標に届かず焦るのは、自分ではどうにも出来ない「利益」と「相場」をどうにかしたいと思ってしまうからです。
これをなんとかしようと、もがくと、ルールを無視したトレードになり、無駄エントリー等で、せっかく出た利益を減らす羽目になってしまいます。
なので、利益を目標にするのではなく、ルール通りにトレードすることを目標にしてみてください。
また、利益も相場も自分ではコントロールできない、ということを意識付けるために
「相場はコントロールできない。コントロールできるのは売買タイミングだけ」と唱えてみましょう。