- パーフェクトオーダー手法は GBPUSD だけ通用する手法じゃないの?
- USDJPY のような介入の入る通貨でも勝てる?
- 通貨ペアによって PF はどれくらい変わるの?
結果から見ていきます。
前回検証した GBPUSD 4 時間足のパーフェクトオーダーは PF 1.22 / シャープレシオ 1.46 という現実的な成績でした。今回は同じルールを USDJPY 4 時間足に当てはめて、通貨ペアを変えても再現するかを確認します。


結果は PF 1.25 / シャープレシオ 1.62 / 178 取引、勝率 34.3%、累計 +1,470 pip。GBPUSD とほぼ同じ、むしろわずかに良い数字。「パラメータの最適化なしで通貨ペアを変えても再現する」という、検証で見つけたい性質をしっかり確認できた結果です。
検証する手法のルール(GBPUSD と完全に同一)

エントリー条件
- USDJPY 4 時間足、SMA 20 / 50 / 200
- SMA20 > SMA50 > SMA200 が完成した瞬間(エッジトリガー)にロング
- SMA20 < SMA50 < SMA200 が完成した瞬間にショート
決済条件
- SL:エントリー価格 ± 50 pip
- TP:エントリー価格 ± 120 pip(RR 2.4)
GBPUSD と全く同じルールです。パラメータの最適化を一切せず、同じ数字をそのまま使うことが、再現性を確認するうえで重要なポイントです。
ForexTester で必要なインジケータ設定
- USDJPY 4 時間足チャート
- SMA(20)、SMA(50)、SMA(200) の 3 本
- 注文:エントリー時に SL 50 pip / TP 120 pip 同時発注
SMA200 は表示までに少し時間が必要なので、検証開始前にチャートを 200 本以上戻して描画させてから始めてください。

なぜ USDJPY の 4 時間足なのか

USDJPY は 2022〜2024 年に複数回の為替介入があり、突然 5 円超の急変が起きた通貨ペアです。普通のトレンドフォロー手法はこのような相場で大敗しますが、パーフェクトオーダー × 50 pip SL は SL が比較的タイトなため、介入相場での損失も限定的に抑えられます。
4 時間足は SMA200 の安定性と取引頻度のバランスがちょうど良く、月に 2-3 回エントリーが出ます。1 時間足では SMA200 が短期ノイズに揺れすぎ、日足では取引機会が少なくなりすぎる、という間を取った時間軸です。
エントリー条件をもう少し詳しく
「パーフェクトオーダー完成」の判定で大事なのは エッジトリガーです。
- 当該足で SMA20 > SMA50 > SMA200 が成立
- 1 つ前の足では成立していなかった(= 完成した瞬間)
- その足の終値でロング
整列が継続している間ずっと買い続けるのではなく、整列が完成した一発目だけを取ります。次のチャンスは整列が崩れて再度組み直された時です。
決済条件 — シンプルな固定 SL / TP
SL 50 pip / TP 120 pip の固定。USDJPY のドル円換算で SL は 0.50 円、TP は 1.20 円と非常にタイトな設計です。これは 「すぐ反落するなら早く諦める、伸びるなら 1.20 円取って手仕舞う」という割り切った設計で、長期トレンドを最後まで握ろうとしません。
結果として、介入相場でも損失が SL × 取引数で頭打ちになり、無限の含み損を抱えるリスクがありません。
利確例と損切り例(実際のトレード履歴)
利確例:2018 年 2 月 13 日 USDJPY SELL(+120 pips)

- エントリー:2018-02-13 20:00 UTC、price 107.827(パーフェクトオーダー下向き完成)
- SL:108.327、TP:106.627
- 2018-02-15 00:00 UTC に TP 到達、+120 pip 確定(28 時間で完了)
2018 年 2 月の USDJPY 急落フェーズで、3 本 SMA が下向きに整列した瞬間にショート。1 日強で TP に到達した素早い取引です。
損切り例:2018 年 4 月 5 日 USDJPY BUY(−50 pips)

- エントリー:2018-04-05 16:00 UTC、price 107.373(パーフェクトオーダー上向き完成)
- SL:106.873 に約 1 日後にヒット
整列の完成は確認できたものの、レンジ相場の中での形式的な整列で、すぐ反落して SL。「整列したらすべて取れるわけではない」を示す典型的な負け取引です。
過去 8 年の検証結果

| 指標 | USDJPY H4 | (参考)GBPUSD H4 |
|---|---|---|
| 取引数 | 178 | 類似 |
| 勝率 | 34.3% | 34% |
| プロフィットファクター | 1.25 | 1.22 |
| シャープレシオ | 1.62 | 1.46 |
| 累計 pip | +1,470 | 同等 |
2 つの通貨ペアで PF が 0.03 しか違わないのは、過剰最適化の心配がほぼないことを示します。「GBPUSD だけ偶然合っていた」のではなく、パーフェクトオーダーというロジック自体が安定した edge を持っていると判断できる結果です。
年別サマリー(2018〜2026)
| 年 | 取引数 | 勝率 | PF | 累計 pip |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | 18 | 38.9% | 1.53 | +290 |
| 2019 | 20 | 25.0% | 0.80 | -150 |
| 2020 | 21 | 33.3% | 1.20 | +140 |
| 2021 | 22 | 31.8% | 1.12 | +90 |
| 2022 | 22 | 50.0% | 2.40 | +770 |
| 2023 | 24 | 33.3% | 1.20 | +160 |
| 2024 | 17 | 41.2% | 1.68 | +340 |
| 2025 | 25 | 32.0% | 1.13 | +110 |
| 2026 (Jan-Apr) | 9 | 11.1% | 0.30 | -280 |
2022 年の +770 pip が累計を底上げしている格好。2019 年と 2026 年初の介入期は負け越しです。USDJPY の場合、「方向感のあるトレンド年」と「介入で乱高下する年」で結果が大きく分かれます。
資金シミュレーション(300 万円・1 取引リスク 2% 複利)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 通貨ペア / 時間足 | USDJPY H4 |
| 検証期間 | 2018-01 〜 2026-04(8 年) |
| 初期資金 | 300 万円 |
| 1 取引リスク | 2.0%(残高に応じて毎回ロット計算する複利モデル) |
| 総トレード数 | 178 回(年平均 22) |
| 勝率 | 34.3% |
| プロフィットファクター | 1.25 |
| 最大ドローダウン | 20.6% |
| 8 年後の資金 | 300 万円 → 約 493 万円(+193 万円 / +64.2%) |
2% リスクの複利運用で 8 年累計 +64.2%、年率換算約 +6.4%。介入相場を挟みつつ最大ドローダウン 20.6% に収まるのは、SL タイト × RR 2.4 の設計が効いている結果です。
検証してみての所感

1. GBPUSD と PF 0.03 違いの再現性
同じルール、同じパラメータで 2 つの通貨ペアの PF が 1.22 と 1.25。これだけ近い数字が出ると、過剰最適化のしようがないと確信できます。ルール自体に edge がある、と判断していい再現性です。
2. 連敗最大は 6 取引(GBPUSD と同等)
連敗 6 は心理的に重く、PF 1.25 を「数字としては実用」と理解していても、実運用では離脱したくなる場面が必ず来ます。資金管理(1 取引のリスクを口座の 1% に抑える)でしか乗り切れません。
3. 介入相場でも SL タイト設計が効く
2022 年は USDJPY が 113 → 152 と 39 円動いた年ですが、PF 2.40 と最高成績。タイトな SL が 方向を間違えても 50 pip で諦める柔軟性を生み、その分大きなトレンドの利確(+120 pip × 多数)でしっかり取れた構造になっています。
改良するなら?

改良 1:ATR フィルター
ATR(14) > ATR(50) × 1.2 のときだけ整列完成を取る。レンジ相場で「SMA20 だけ動いて整列が一瞬で完成し、すぐ崩れる」パターンをほぼ除外できます。PF が 1.4 〜 1.5 まで持ち上がる見込みです。
改良 2:D1 SMA50 トレンドフィルター
日足 SMA50 が右肩上がりのときはロングのみ、右肩下がりのときはショートのみ。介入相場のようなトレンドが反転する局面での損失を緩和できます。
改良 3:トレーリングストップ
含み益が +50 pip 出たら SL をエントリー価格に動かす(建値ストップ)、+100 pip で +30 pip に動かす、というトレーリングを入れることで、伸びた取引でリスクを切り詰められます。
改良と検証を、自分でやってみたい人へ
同じルールを 2 つの通貨ペアで動かして比較するのは、ForexTester の得意分野です。同じ時期のチャートを並べて表示すると、「整列が完成するタイミングがどう違うか」が一目で分かります。再現性のある手法かどうかを自分の目で確認する、最も信頼できる方法です。

まとめ
USDJPY 4 時間足のパーフェクトオーダー手法は、PF 1.25 / シャープレシオ 1.62 / 勝率 34.3% / 累計 +1,470 pip。GBPUSD 版の PF 1.22 とほぼ同じ数字で、パラメータ最適化なしで通貨ペアを変えても再現することが確認できました。
「過剰最適化されていない、再現性のある手法」を見つけるのは検証の最終目的の一つです。パーフェクトオーダーは、その条件をクリアしている数少ないシンプル手法です。次は ATR フィルターを足してさらに PF を伸ばせるか、続編で確認していきます。



