損切りできない理由を徹底解明!FX初心者でも実践できる解決策とは?

  • 含み損は確定しなければ損にはならない」と、つい塩漬けしてしまう。
  • 含み損を見るのが嫌だから決済せず放置してしまう。
  • 含み損が戻るのを待ったら損失が巨大に…。

損切りができず、含み損を抱えたまま放置してしまう…」こんな経験はありませんか?

FXトレードで損失を最小限に抑えるためには、迷わず損切りを行うことが重要です。本記事では、これらの症状にお悩みの方へ、損切りができない心理的な原因を解明し、初心者でも実践できる具体的な解決策を紹介します。

損切りできない心理的な原因とは?

損切りはトレードにおいて非常に重要なスキルですが、多くのトレーダーがこれを実行できず、大きな損失を抱える原因となっています。

その背景には、心理的な壁や過去の成功体験、損失を確定することへの恐れなど、さまざまな要因が存在します。

本章では、損切りをためらわせる具体的な心理的な原因を解明し、その影響がトレードにどのように現れるのかを掘り下げていきます。

偶然の成功体験

1つ目の原因は、「待っていれば元に戻った経験がある」ことです。

「含み損になったけど、待っていたら元に戻った」という経験は、トレードをしている人なら誰もが一度はあるでしょう。

なぜなら、エントリー後に一度も価格が逆行せずに上昇(または下落)し続けることは非常に稀だからです。通常、ある程度の価格の逆行は避けられません。

そのため、損失が膨らんだ際に「待てば戻るのでは?」と期待してしまうのは自然な感情です。しかし、気をつけなければならないのは、「待つにも限度がある」という点です。

相場には「トレンド相場」と「レンジ相場」があります。

トレンド相場】
トレンド相場とは、価格が一方向に進み続ける相場のことです。

トレンド相場
トレンド相場

【レンジ相場】
レンジ相場とは、価格が一定の範囲内で行き来する相場のことです。

レンジ相場
レンジ相場

このレンジ相場であれば、時間が解決してくれる場合があります。

過去に一時的に損失が膨らんだけど、「待っていたら助かった」のは、大体この相場です。

一方、トレンド相場では状況が異なります。

トレンドが続いている間は、価格が元に戻ることはありません。

トレンドがいつ終わるのかは予測不可能で、仮に終わったとしても、エントリーした価格水準に戻るまでに何年もかかる可能性があります。

極端な例】
たとえば、2022年10月にドル円が147円を超えましたが、前回147円を超えたのは1998年8月です。

このとき147円で買いポジションを持っていた場合、価格が再び147円に達するまで実に24年もの間、含み損を抱えることになっていたのです。

ドル円月足チャート
ドル円月足チャート(1998年~2023年)

特にFXや株式の信用取引では、証拠金による制約があるため、耐えられる含み損には限度があります。また、資金が長期間拘束されたままでは、別の機会を逃してしまう可能性も高く、おすすめできません。

偶然で助かっているのは相場環境に助けられていただけ、ということを知っておきましょう。

  • 「待ち続けたことで戻った」という経験が損切りを難しくしている
  • 偶然助かったのは「相場環境に助けられていただけ

思い込み(期待)への固執

2つ目の原因は、「こうなるだろう(なって欲しい)」という思い込みや期待に固執することです。

具体的には、エントリー時点では相場がトレンドなのかレンジなのかを正しく判断できていたとしても、相場が変化した際に「これは一時的な逆行だ(であってほしい)」という期待に縛られ、損切りをためらうケースです。

次のような相場を例に考えてみましょう。

例:レンジ相場のつもりがトレンドに転換

レンジ相場か?
レンジ相場か?

レンジ相場が続いているように見えたため、高値付近で「売り」を選択しました。

しかし、結果は…

レンジをブレイク
レンジをブレイクしてトレンドに転換

一瞬、価格が下げたものの、レンジをブレイクし、トレンド相場へと移行しました。

このような状況で起こりがちなのが、次のような期待や思い込みです。

レンジの高値でエントリーしたんだから、きっと戻るはずだ

この思い込みが損切りの決断を邪魔してしまい、損失が膨らむ一因となります。

  • エントリー時点の期待や思い込みによって、相場環境が変わっているのに気づかないと、損切りができなくなる。

FX初心者が損切りを克服する方法

「損切りが苦手でトレードがうまくいかない…」と悩む初心者は少なくありません。しかし、損切りを適切に行えるようになることで、トレードの質が格段に向上します。本記事では、損切りが苦手な初心者でも実践できる方法を具体的に解説します。

損切りを克服するためには、以下の4つのポイントを試してみてください。

損切りポイントを事前に設定する

エントリー時に、「ここを超えたら損切り」といったポイントを事前に逆指値注文で設定するのがおすすめです。逆指値注文を活用することで、感情に左右されず、自動的に損切りを行える環境を作り出せます。

以下の記事では、逆指値注文の詳細を解説していますので、参考にしてください。

どのポイントを損切りポイントにするか、はそれぞれの手法や資金管理方法によるため、既に決まったポイントがある場合はその価格に必ず逆指値注文を入れるのをルールにしましょう。

ここで重要なのは、手動ではなく自動的に損切りが行われる状態を作り出すことです。

  • エントリーと同時に損切り注文を逆指値で入れておく

エントリーの根拠に基づいて損切りを設定する

損切りポイントを決めるには、エントリー時の根拠が崩れたと判断できるポイントを特定することが重要です。以下の例を参考にしてみてください。

例:レンジ相場で売りエントリーをした場合

 「レンジ内での反落」を根拠にエントリーしたとします。

レンジ相場でのエントリー

この場合の根拠は「恐らくレンジである」という部分ですから、これが崩れるポイントを探します。

この場合、一つ前の高値をレンジ上限と見なし、それを超えたタイミングを「根拠が崩れた」と判断して損切りポイントに設定します。

レンジ相場のロスカット位置

ただし、エントリーの根拠や損切りポイントは絶対的なものではありません。

それをどう設定し、判断するかがトレード手法の一環となります。もしトレード手法が明確でない場合は、まず自分に合った手法を見つけることを優先しましょう。

トレードルールの作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

  • エントリーの根拠が崩れる場所を損切りポイントとする。
  • そもそもエントリー根拠がない場合は、まずトレード手法を確立する。

損切りを受け入れる心構えを持つ

損切りはトレードの一部であり、避けられないプロセスです。成功しているトレーダーでも損失を経験しますが、重要なのは損失をいかに最小限に抑え、次のトレードに活かすかです。

  • 損失をトレードの一部と認識する:
    損切りを失敗と捉えるのではなく、計画された戦略の一部として受け入れましょう。
  • 過去のトレードを振り返る:
    損切りが適切に行われたか、または遅れたかを分析し、改善点を見つけます。
  • 感情をコントロールする:
    恐怖や欲望に左右されず、ルールに従ったトレードを心がけます。

とはいえ、損切りの重要性を頭ではわかっていても、実際のトレードになると感情が優位になって損切りを外してしまったりします。

以下の記事では、感情のコントロールについて記載しておりますので参考にしてみてください。

デモトレードで練習する

デモトレードは、実際の資金を使わずにリアルな市場環境でトレードをシミュレーションできる有効な方法です。これを活用することで、損切りに対する頭と心の準備が整うだけでなく、損切りのタイミングや手法を習得することができます。

デモトレードで得られるメリット

リスクなしで練習できる
実際の資金を使わないため、失敗を恐れることなく自由に試行錯誤ができます。

損切りに慣れる
損切りを実践することで、その重要性と手順を体感的に理解でき、損切りへの心理的な抵抗を軽減できます。

ルールの実行力を養う
トレードルールを守る訓練ができ、感情に左右されず計画的に損切りを行えるようになります。

実践的なスキルを磨く
リアルな相場データを使ってトレードを繰り返すことで、損切りのタイミングや価格設定を判断するスキルが向上します。

デモトレードを最大限に活用するポイント

具体的な目標を設定する
例: 「損切りを5回連続でルール通りに行う」など、明確な練習目標を持つことで効果が高まります。

トレード記録をつける
各トレードの結果を記録し、成功した点や改善点を振り返りましょう。これにより、損切りの精度を向上させるヒントが得られます。

実際のトレードを想定する
デモトレード中でもリアルな資金でのトレードをしているつもりで、慎重に判断を行いましょう。

デモトレードの実践方法

次の記事にてデモトレード(過去検証)の方法について解説しておりますので参考にしてみてください。

まとめ

損切りをためらう原因は、感情的な心理や過去の成功体験にあります。

しかし、これらは明確なルール設定や仕組み化によって克服可能です。損失を限定し、安定的な利益を目指すための第一歩として、今日から損切りルールを見直してみてはいかがでしょうか?

損切りを克服することで、トレードの質を高めるだけでなく、自信を持って取引に臨めるようになります。ぜひ今回紹介した方法を実践し、一歩進んだトレーダーを目指しましょう。